過去-パスト-part2/復讐の宇宙忍者
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った。
「興味深いな」
「「!」」
スーツを着込んだ、見た目は普通なのに奇怪な雰囲気を漂わせる男が二人の前を通りかかった。
「ウルトラの一族に恨みを持つ子…利用価値があるな」
ほくそ笑むその男は、じっとサイトを見た。獲物を狙う狩人の目をしている。ただ、ヒルカワとはまた別格の異常なオーラを持っていた。
「なんだよあんた。俺と同様にこのガキから特ダネをもらう魂胆か?悪いけどこいつは俺がとっくに…ぎゃあ!!?」
ヒルカワは自分と同じジャーナリストで、そのためにツルギを憎むサイトを狙ってきたのだと思った。せっかく独占できると思っていたネタを他人に渡すわけにはいかない。とっとと追い返してやろうと思ったのだが、その瞬間彼の意識は飛んだ。
男はヒルカワを、「はっ!」と掛け声をかけて平手を突き出しただけで吹っ飛ばし、ごみ溜めに突っ込ませた。
「…!?」
サイトは男に対して恐怖した。どう考えても今のは人間がなせる業ではない。つまり、この男は人間ではないのだ。
男はヒルカワが持っていたカバンを拾い上げ、その中に入っていた、サイトを取材した際に取っていたメモやカメラを確認する。サイトはその隙を見て逃げ出そうとした。だが、駆け出した途端に立ち止まってしまう。すでに自分の目の前に…いや、彼の周囲に、彼の世界でなら誰もが知っている悪名高い星人が彼を取り囲んでいた。
「40年…地球人以上に寿命の長い我々にとって些細な時間であるその時間も、実に長く感じた。今度こそ…我らの悲願を叶えるために、君を利用させてもらうぞ!」
「な、何をすんだ…」
男はサイトに一歩一歩近づき、サイトはその度に一歩後ずさるが、周囲を取り囲まれた今、もう逃げ場はない。
「『宇宙忍者』の二つ名を持つ我ら、『バルタン星人』の悲願のために!!」
「うあああああああ!!!」
バルタンに憑依され、サイトは人が変わったようになった。学校には普段通り通い、新たな自宅となったアンヌの家にも戻りはしている。だが、時折奇怪な動きを見せるようになった。若き頃の勘なのか、アンヌはサイトの身に何かあったのだろうかと思っていたのだが、ついにある日、サイトが夜な夜な家を出ていくのを目撃した。
(こんな時間にどこへ行くのかしら?)
真夜中、サイトが家を出るのを目撃したアンヌは彼を追って行った。
まだ会って間もないが、どんな人間も寝間着姿で外をうろつくなんて…ましてやこの時のサイトのように操り人形のように外を出歩くだなんてありえない。怪しいと思ったアンヌはサイトを追って行った。
アンヌにとって、サイトは確かに養子…血は繋がっていないが我が子だ。それに出会ってそんなに長い時を過ごしていない。しかし親である以上我が子の成長を見届けなくてはならない。アンヌはサイトと出会った時、すぐにこの少年がすべてを失っ
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