暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
過去-パスト-part2/復讐の宇宙忍者
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くれよ…あなたはツルギがどこにいるのか知ってるんだろ!!あいつに話をさせろよ!!」
ミライに怒鳴りながら、サイトは彼の胸倉を掴んで無理強いする。
周囲から、いつの間にかミライとサイトの鬼気迫る空気を察した視線が集められていた。
「…それはできない」
ミライは感情を押し殺しながら静かにそう言った。
サイトは感情的になりすぎて正常な判断を鈍らせていたが、この時のウルトラマンヒカリは地球を狙う敵の動きを探るために独自に宇宙へ旅立って行ったのだ。そもそも無理な要求で、子供の我儘も同然の話だった。それに、ミライ自身は次にもう一つ、ツルギとサイトを引き合わせることのメリットの無さを語った。
「もし僕が彼と君を引き合わせることができたとしても、君が彼に言う言葉なんて決まっている」
「…!!」
さっきまでの温和な好青年らしい笑顔は、そこにはなかった。鋭い、戦場に立つ戦士として相応しい顔つきと眼光はサイトを貫いた。
「…もう、今日は帰ります」
「待ってくれ!」
居づらくなったサイトは、ミライから露骨に視線を反らして言うと、鞄を背負って食堂から、そしてミライの声にも耳を傾けずフェニックスネストからも去って行った。


「くそ…」
帰り道、サイトは本当の目的を、親を失ってから願ってきたことが結局叶わない状況がこの先も続くことに苛立ちを募らせていた。
一歩歩く度に、背後にそびえるフェニックスネストが小さくなっていく。すると、サイトの前に人影が立ちはだかる。またしてもヒルカワだった。今度はサングラスと帽子を脱いでいた。ウルトラマンを憎む少年とは、ヒルカワにとって貴重なスクープの材料、絶対に逃がしたくはない逸材だった。
「あのさぁ、平賀君。もう一度だけでいいんだ。取材料だって弾むし、もう一度だけ話を聞かせてくれよ。もっと詳しい話を君の口から聞いておきたいんだ」
嫌らしい笑みを浮かべ続けながらヒルカワはしつこくサイトに付きまとい続けた。サイトは今、誰とも話をしたくなかった。ましてや、こんな腐った匂いを漂わせている男と話なんてまっぴらだ。とっととどこかで退散しようと思っていたのだが、ヒルカワはなおもしつこく追い回し続けた。
「なあ頼むよ〜。一度だけでいいんだ。な?ウルトラマンに家族を奪われた時の気持ちとか、とりあえずカメラに記録しておきたくてさ」
人目の少ない裏通りを通ったところで、これで数度目になるのか、ヒルカワはうざったらしく取材の要求をしてくる。サイトもいい加減この男に対して堪忍袋の尾が切れようとしていた。
(このおっさんいい加減しつけえな…いっそ殴り飛ばしたほうがいいか…?)
ジロッとヒルカワを睨み付けたが、所詮相手が子供だからと言う理由もあってか、全然気にも留めず澄ましている。
しかし、サイトを追い回していたのは、ヒルカワだけではなか
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