過去-パスト-part2/復讐の宇宙忍者
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サイトを取材しているのもそのためである。
「ここに来れば、ツルギのことをもっと知ることができるって思ったんです。親の仇であるツルギを…」
「親の仇…?」
声の質からして信じられないと言っているような声が聞こえてきた。その声が聞こえた方を向くと、急用を済ませてサイトを探しに来たミライが、席に座っている自分たちを驚愕した眼差しで見下ろしていた。
ミライを見ると、ヒルカワはそそくさに荷物をまとめて退散していった。ミライに顔を見られるのが不味いとでも思ったのだろうか。ミライは去っていく男にあ、と声を漏らしながらも引き留めようとしたが、それ以上にサイトが言った言葉の方も無視できなかった。
「ツルギが親の仇って…それって、ヒカリを貶めようとしたババルウ星人のことだよね?」
ミライ=ウルトラマンメビウスは純粋すぎる青年だ。以前ヒルカワとつるんだ、GUYSクルーの仲間の一人『アマガイ・コノミ』の幼馴染の男が彼女を騙した時は、守るべき相手である人間であることも忘れて殴り飛ばしたくてしょうがないほどの怒りに駆られたこともある。相手を罵倒する言葉がもし自分に降りかかってくるとその分だけ真に受けてひどく傷ついてしまう。今のサイトの言葉にも、その次に言った彼の言葉にも非常にショックを受けることとなる。
「…違います。みんながウルトラマンヒカリって呼んでいる…正真正銘本物のツルギが俺の親の仇なんです」
「そんな…!!でも、ヒカリは心を入れ替えて、君たちを守ってくれるようになったじゃないか!ババルウ星人が化けた偽のツルギのときだって…」
ミライにとって、ツルギ=ウルトラマンヒカリは当初こそ衝突があったものの、今では誇るべき戦友の一人。悪く言われたりすると決していい気分ではない。
だが、こうしてただ自分の意見を拒否されるようなことを言われ、サイトもいい気分ではなかった。
「あんたに…あんたに何がわかるんだよ!俺たち地球人を守ってくれるはずのウルトラマンに裏切られて、家族を殺された俺の気持ちが、あんたみたいに幸せそうでへらへら笑っているだけのあんたに!!」
「…!」
「あんたがそれで気が済んだとしても!たとえツルギがババルウ星人を倒したことで地球の皆の信頼を勝ち取っても…俺の両親は、父さんと母さんは二度と帰ってこないんだ…!!」
ミライは、剣幕を散らすサイトにどう言い返せばいいのかわからなくなっていた。ずっと地球を守り続けてきた立場の自分の同胞が、こうして守ってきたはずの地球人から恨まれている。同じウルトラマンとして…地球を守護する者同士として複雑な心境にならざるを得なかった。ヒカリに倒されたババルウ星人は、目の前のサイトがそうであるように地球人のヒカリに対する恐怖や、怒りと悲しみを利用したその卑怯な手口がどれほど効果を表していたのかを改めて痛感した。
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