暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
喪失-ロスト-part4/滅亡の王家
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るのだと思い込んでいたが、実際はそうではなかった。ネクサスが放った光線、〈セービングビュート〉はスペースビーストに捕まってしまった人間を捕まえ、ネクサスの掌に送る…つまり人命救助に最適な光線技だったのだ。他にもビーストを縛って捕えることも可能である。だから、ネクサスがウェールズもろともワルドを殺そうと言う思惑はなかったのだ。
「邪魔を…!!」
『待ちたまえ、ワルド君』
するなと言い放とうとした時だった。ワルドの頭の中に何者かの声が聞こえてきた。その声に、ワルドは聞き覚えがあった。
「その声は、閣下!?」
閣下…そう、王党派にとって最大の憎むべき敵にしてレコンキスタの総領主、オリバー・クロムウェルの声だった。淡々とした声でクロムウェルは続ける。
『グレンファイヤーを始末できないのは残念だが、このままでは我々は君を失うことになる。アンリエッタの手紙とウェールズの身柄を確保できただけでも十分だ。ベロクロンを盾に、ジャンバードと共に帰還せよ』
「…閣下の命令ならば仕方ありますまい。今から帰還します」
ウェールズが落ちないように乗せたまま、ワルドはグリフォンの手綱を握り、ニューカッスルから遥か遠くへと逃亡した。
逃がしたらまずい。勘でそう感じたネクサスは追おうとしたが、彼を阻もうとベロクロンが立ちふさがってきた。すでにグレンファイヤーに圧倒されていたためにボロボロの状態だ。ワルドが逃げるには十分な時間稼ぎ役ではあるが、ネクサスの敵ではない。…というのは、変身者であるシュウが万全の場合での話だ。
今のネクサスはラフレイアの大爆発からラ・ロシェールの街の人たちを少しでも多く守るために自ら盾となった時のダメージが完全に抜け切れていなかった。
ベロクロンが両手から放ってくるミサイル攻撃を、とっさに〈サークルシールド〉を展開して防御したものの、両手からミサイルの爆発による振動が伝わり、やけどを負った体中に響く。
「ヌオオオオオ……!!!」
ネクサスは根性のままにベロクロンの攻撃を防いでいくが、ベロクロンは…今度はなんと口から泡を吐いてきたのだ。しかもそれはただの泡ではない。ベロクロンの体内の毒袋から放出される強力な溶解液『ベロクロン液』。
「グゥオアアア…ウォ…オオ…!!?」
強烈な毒をその身を持って受けてしまい、ネクサスは苦しみその場で膝を着いてしまった。
ピコン、ピコン、ピコン、ピコン…。
彼の胸の『エナジーコア』が、カラータイマーと同様に赤く光って点滅を開始し始めた。
ここぞとばかりに、ベロクロンはネクサスを焼き殺そうと火炎放射まで放ち、ネクサスの身をさらに焦がしにかかる。やけどがまだ回復していない彼の身に、炎の攻撃はあまりにもキツイ。
ベロクロンは勝ちを悟ったのか、止めを刺そうと突撃してきた。しかし、ネクサスは諦めない。これまで『諦
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