喪失-ロスト-part4/滅亡の王家
[8/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ットからエボルトラスターを取り出し、鞘からそれを引き抜いた。
「シュウ、そろそろ包帯を取り換えましょう」
「シュウ兄、来てやったぞー!」
彼が窓から外へ飛び出してから、入れ替わるように彼の部屋にテファとサマンサの二人が入ってきた。しかし、ベッドはすでにもぬけの殻となった。
「あ、シュウ兄ったら勝手に抜け出して!!大人しくしてってお姉ちゃんに言われてたのに…!!トイレの手伝いだって私たちでしてあげるのに」
まったくもう!と悪ガキを叱るように憤慨するサマンサは、くしゃくしゃになった毛布を敷きなおした。…余談だが、さすがに彼は性格上、トイレに誰かを同行させる気は毛頭ないだろう…たとえ尿瓶が必要になるくらいの大けがを負ってベッドに寝かされてもおそらく嫌がるに違いない。
「…」
テファは、彼の机の上に置かれていたエボルトラスターとブラストショットがないことに気づいた。まだ、彼は自分に大事なことを隠している。そのために、またどこかへと姿を消した…。それとまた、近日に偶然見た、巨大な翼をもつ悪魔が見たこともない街を破壊しつくした光景を映し出したあの悪夢も思い出していた。拭いきれない不安が、テファの表情を曇らせた。
そんな彼女の顔を、後から入ってきたマチルダは見逃さなかった。まったく…テファにこんな憂い顔をさせるなんて、帰ってきたら一発説教してやろうか。そう思いながら彼女は窓の外を遠い目で眺めた。
「シュウを探してくるよ。まだ近くにいると思うからね」
「…うん、お願い」
シュウのことは、マチルダに任せておけばきっと大丈夫だろう。彼女がシュウを探しに外へ出るのを、テファは見送った。
すると今度は、家の外から、サムのテファを呼ぶ声が聞こえてきた。
「姉ちゃん!変な人たちが村の入り口にいるよ!!」
変な人たち?もしや、またあの時のように盗賊が来たのか?警戒し、杖を持ったテファはすぐに駆けつけた。
ワルドは勝ち誇っていた。姑息な手口を使うことに何らためらいを持たなかった。レコンキスタの…そして何より若いころから抱いていたある『目的』のためならば手段を選ぶことはとっくに捨て去っていた。どんな手を使ってでも、ワルドは己の野望を叶えるべく祖国裏切ってレコンキスタに入ったのだ。
此度の任務…ゲルマニアとトリステインの同盟を白紙に戻すための要素を見つけ持ちかえる。ウェールズを見つけ身柄を拘束するか、不可能な場合は抹殺する。最後に…始祖の使い魔ガンダールヴの能力を持ったサイトを使い魔としたルイズをレコンキスタに招くこと。
ルイズのことは仕方なかったが、三つの内二つを達成できた。閣下もきっと大喜びだ。
いやはや、クロムウェル閣下は本当にすごい方だ。そして彼の秘書として働いている使い魔である『彼女』もまた同じだ。ベロクロンという、怪獣さえも凌駕す
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ