喪失-ロスト-part4/滅亡の王家
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めるな』と他者に言って見せた彼は戦いに勝つことを決して諦めたりはしなかった。手から三日月状の光弾〈パーティクルフェザー〉をベロクロンの口に向けて発射した。
「ヘア!!」「ブボオオオオ!!?」
ベロクロンが口に仕込んでいた兵器は特に強力なもので、それを今のネクサスの光弾によって破壊されてしまった。口に仕込まれていたミサイルが暴発し、ベロクロンは口の中…体内に大ダメージを負わされてしまう。
とっさに立ち上がったネクサスは直ちにジュネッスブラッドへとスタイルチェンジした。
エナジーコアの代わりに、ジュネッス状態の時のみに装備された『コアゲージ』が点滅をすでに点滅していたが、そんなことはもうどうでもいい。
ネクサスは両腕を、円を描くように回すと、両腕を広げて胸のエナジーコアを突き出す。瞬間、エナジーコアから両列な必殺光線が放たれ、ベロクロンを貫いた。
〈コア・インパルス!〉
「ヌォオオオ…テアアアア!!!」
「ギィイイイエエエアアアアア!!!!!」
光線を受けたベロクロンは体中から火花を散らし、倒れた瞬間にその身は木端微塵に爆散した。
「やった…!!」
ネクサスの勝利と、自分たちの無事を悟った炎の空賊たちと王軍の生き残りたち。しかし、この勝利を決して喜ぶことはできなかった。ウェールズが、あの卑怯なワルドの手によってかどわかされてしまったのだから。特にこれを悔しく思っていたのは、身分の壁を越えてウェールズと親しかったグレンだった。
「…時間がない。我らはこの大陸を脱出するぞ」
「脱出って…皇太子のことはどうするんです!?」
「そうだよ船長!このままあの髭にウェールズが連れ浚われたら何をされるかわかったもんじゃない!」
ガル船長の決断に王軍兵士が納得できないと声を上げた。同調してグレンも反対した。しかし、逆にガルも皆に向かって怒鳴り散らした。
「今の我らの兵力で、大した策もない状態でどうやって彼を取り戻すと言うのだ!このままワルドを追ったところで、我らは返り討ち…今度こそ全滅してしまうだけだ。
…悔しいが、今度の作戦でわしらは完全に敗北したのだ」
完全敗北…その一言が周囲の人間たちの熱を冷まさせた。
結局自分たちは、あの卑劣な侵略者たちからこの国を守ることができなかったのだ。無念…としかもう言いようがなかった。特にこの国への忠誠心が根強い王党派の平民兵やメイジたちは悔しさのあまり涙ぐんでいた。湿っぽい涙が、地面を濡らしていき、染み込んでいった。
この後、王党派の残党たちは炎の空賊たちの勧めでアルビオンの各地に散ていった。炎の用心棒グレンファイヤーは、ウェールズを助けられなかった自責の念を抱き、しばらく姿を見せなくなった。どうにかウェールズを助けるために、レコンキスタの様子をうかがっているのか、それとも責任を強く受け止めすぎてまとも
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