喪失-ロスト-part3/閃光の背信
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ニアの文明では決して作り出すことのできない、赤と白の模様をボディ全体に刻み込んだ、一機の機械じかけの巨大な飛空艇だった。
「あれは…『始祖の箱舟』…!!?」
「そう、あれは貴様ら王党派が大事に隠し持っていた始祖の秘宝…
『始祖の箱舟 ジャンバード』 だ!!」
高らかに勝ち誇ったようにワルドは笑い飛ばした。
「なぜだ!あれの場所は誰にも漏らしていなかったはず!!それに、手に入れたところで我々でさえ動かすことなどできないはずだ!!」
「はははは!ウェールズ、貴様…知らないのか?我々レコンキスタには、長年アルビオンに仕えていた貴族も大多数存在する!その連中の幾人かに、始祖の箱舟の所在を知るものがいたのだ。そして…我らレコンキスタの総領主クロムウェル閣下は、現代に蘇りし虚無の担い手!当然、伝説の使い魔も従えておられるのだ!」
「虚無ですって!?それはただの伝説のはずだわ!」
信じられないとキュルケはワルドに怒鳴り散らした。
「信じる信じないかは貴様らの勝手だ。だがこうして、始祖の秘宝を操ることができるなど造作もない!今回俺の意思に従っているのは、その使い魔が俺の思いのままに操れるように調整してくださったものよ!」
(一体この世界はどうなってんだ!?科学を理解できないこの世界で、あんなものが作られたって言うのか!?)
何度も地球を襲ってきた宇宙人の円盤とほぼ同等の科学力で製鋼されたとしか思えないジャンバードを、サイトは存在自体を驚異に思えた。
「さあジャンバードよ!!この時代遅れの愚かな王家に終幕をもたらしてやれ!」
ワルドが掲げた杖を振り下ろすと、ジャンバードは荒れ狂うように飛び回り、ボディに仕掛けられた砲口からビームを発射した。
エメラルド色のビームが雨のように降り注いで、教会にいた出席者たちを次々と襲った。
「ぎゃああああああああああ!!!」「やああああああああああ!!!」「う、うああああああああ!!!」
魔法を詠唱する間さえも与えられない。破壊を呼ぶ光線は魔法を放って応戦しようとするメイジたちを、ことごとく抹殺していった。
「ひ…!!」
「な、なんて威力…!!」
まさに、惨劇と言うにふさわしかった。サイト・ルイズ・ウェールズ・キュルケ・タバサ・ギーシュ以外の全員が、神聖なるブリミル教の教会をちと死臭で汚しつくした。
ひび割れた床と壊れつくされた椅子。そして瓦礫の山、すでに彼らのいた教会は原形さえも留めていなかった。
「ふふふ…ふはははははははは!!!何という威力だ!!さすがは始祖の秘宝よ!!愚かな王軍共が一分も経たずに肉塊となったわ!!」
「…!!」
さっきまで隣で話していた王党派の勇士たちが、一人も生き残っておらず、ただの死体となってしまったその惨状に、ルイズは
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