喪失-ロスト-part3/閃光の背信
[6/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
事にワルドに裏切られたことに対する怒りが、式場を覆い尽くそうとしていた。
「僕がこんなに頼んでるのにダメなのかい、僕のルイズ?」
「気安く『僕の』ルイズだなんて呼ばないで!誰があなたなんかと!」
もうこの時には、ルイズどころか、もう式場の皆が自分とルイズの結婚を許してくれないに違いない。
「…そうか…ならば、仕方ないな。目的達成のためだ。強硬手段と行こうか」
すると途端、ワルドは手を離し優しげな顔になった。しかしその目にはかつてのような暖かさはない。
「目的?」
訳が分からないという風に呟くルイズ。ワルドはそんな彼女に目もくれず続ける。
「この旅の目的…一つ目はルイズ、君を手に入れる事。二つ目はアンリエッタの手紙の入手。そして…」
「!」「貴様!」
手紙と言う言葉に二人は反応し、ウェールズは魔法を詠唱する。
「三つ目は貴様の命だ、ウェールズ・テューダー!!!!」
その前に、ワルドが彼の胸を貫こうと、マントの下に隠していたレイピア状の杖を抜き、突き刺そうとしてきた。しかし!
「やめろおおおおおおおおおおお!!!」
まさに電光石火。デルフを鞘から引き抜いたサイトは自分の前の客席の背もたれを踏み台代わりに飛び立ち、ウェールズを貫こうとしているワルドの杖に向けてデルフを投げつけた。まるでかの伝説のウルトラ兄弟の一人、ウルトラセブンの武器である『アイスラッガー』のように回転しながら、デルフリンガーはワルドに襲いくる。
「ち!」
舌打ちしたワルドはとっさに後方に避けてサイトの斬撃を回避した。しかし、追撃にワルドに向けてタバサが風の魔法〈エア・カッター〉を放って彼を切り裂こうとする。サイトの攻撃を避けた直後のため、対応が遅れたワルドの頬に切り傷が刻まれた。
「ナイスアシストだぜ、タバサ!」
「何がナイスだっての。酷えじゃねえの相棒!?急に投げつけるとかよぅ。俺っちは投擲じゃねえんだぜ!」
サイトはウェールズの前に着地し、急に投げつけられて床に突き刺さったデルフを引き抜く。もちろん彼の文句については一切無視した。
「皇太子さま、ルイズ、怪我は!?」
「あ、ああ…ありがとう。君のおかげで命拾いした」
「ええ…大丈夫よ。けど…」
二人を見て、サイトは怪我がないかを確認すると、二人は頷いて見せた。サイトたちの元に、キュルケ・タバサ・ギーシュの三人も杖を構えて駆けつける。
「貴様…レコンキスタの回し者だったのだな!」
怒りを積み隠さず、ウェールズが詰問すると、ワルドは冷たく感情のない声で認めた。
「その通りだ。俺はアルビオンの貴族派レコンキスタの一員だ」
「なぜ、グリフォン隊隊長で、トリステイン貴族の鏡ともいえるあなたが!?」
ギーシュからの問いに、ワルドはギーシュがつい昨日まで自分に対して抱いていた憧れの感情を嘲笑うように答
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ