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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
喪失-ロスト-part2/ルイズの結婚
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と共に遊園地でアルバイトをさせられていた時くらい。
そして…そんな悪いものじゃない記憶の中に、一人の少女の姿が浮かび上がる。そして彼女の姿が、自分を召還した少女ティファニアとダブった。
(…………!!!)
サマンサがせっせと部屋を掃除してくれる一方で、シュウは無表情から一転して、己への自己嫌悪で歪みきった表情を浮かべながら自身の右手首を左手で掴んでいた。


――――光の力。それは、自分に与えられた『罰』そのものなのだ、と。


だから、シュウは逆に一つの憂いを抱く。

俺は…彼女たちの傍にいていいのだろうか?
むしろ、不幸にしかねないのではないだろうか。
己が身に課せられた罰から、永遠に逃げることができなくなった俺が…。




テファは厨房へ向かい、調理に取り掛かると、ほんの少しの間を置いたとき彼女はベッドに座っているシュウのいる部屋をじっと見た。夢の中で見た街、そしてその街を笑いながら破壊する悪魔。そして、チキュウと言う世界のニホンという国から呼び出されてここにいるシュウ。
一見他人を近寄らせたがらない雰囲気を出しているくせに、自分以外の人間の事をちゃんと見ていてくれている。
テファはこれまで同年代の男と接したことはないのだが、だからこそなのか、それとも彼がハルケギニアの人間じゃないからなのか、それともまた別の理由からなのかシュウのことを不思議に思った。
不思議に思う理由は、他にもあった。一日を共に長く過ごすようにもなったから、彼の様子を必然的によく見ることになる。その時、彼の表情が時折悲しく見える時があった。
(どうしてあんな顔を浮かべたんだろう…)
気になった。テファにとって、シュウはまだずっと憧れてきた『お友達』というには距離がある。もっと仲良くなるためにも彼女はシュウのことを知りたいと思った。
でも、テファはそれを尋ねなかった。尋ねたら尋ねたらで、シュウに要らない心労をかけることになりそうだし、シュウ本人も聞かれたがりそうになかったからだ。尋ねるか、尋ねないべきか…ちょっとしたループ状態に陥りそうになる。
すると、彼らのいるテファの家の玄関から、盗賊稼業からひと稼ぎしてきたマチルダが皆の下へ帰ってきた。
「よ、ただいま〜」
「マチルダ姉さん、お帰りなさい。今日は早かったのね」
「マチルダ姉ちゃんお帰り!!」
テファや子供たちが一斉に駆け寄ってマチルダを出迎えてきた。
「今回も稼いできたよ。ほら」
手に取った袋に入ったハルケギニアの紙幣を見せてニカッと笑うマチルダ。盗賊稼業については好調のようだ。
しかし今回、その一方でマチルダは皆に言わねばならないニュースを伝えることとなった。
「戦争、かなりやばくなったみたいだよ。今日、レコンキスタがサウスゴータに陣とっていた王軍を壊滅させたっ
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