暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
喪失-ロスト-part2/ルイズの結婚
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んたの言うウルトラマンって、こういう時こそくるもんじゃないの?」
サイトは目を閉じて、何時ぞや覚えたある言葉を口にした。
「『地球は我々人類、自らの力で守り抜かなくてはならない』」
「何それ…?」
フーケ事件の時もそうだが、サイトからまた妙な言葉を口にされ、ルイズは首を傾げた。
「昔の地球防衛軍のとある隊長が、ウルトラマンと共に戦う際に言った言葉だ。ウルトラマンは人間にとって都合のいいだけの存在じゃない。精一杯頑張って平和を勝ち取ろうとする人たちがどうしようもない時に力を貸してくれるヒーローなんだ。
戦争で、どちらか片方の勢力に手を貸して、敵軍の人間を殺すなんて真似は、ウルトラマンたちにとって最大のタブーなんだ」
そうだ、これまでのウルトラマンが地球を守るために戦ってきたのは『人類の手に負えない力』が現れたときだけだ。この世界の存在じゃない何者かが絡んでいることを見いだせない限り、ウルトラマンはきっとレコンキスタと王党派の戦いの場に現れない。まだ星人のように、強力な知性を持つ存在がはっきりしていない以上、人間同士の戦争にウルトラマンは介入することができないのだ。
人類の主権を侵害することはできない。人間同士の戦争でどちらかに肩入れすることは、決して許してはいけない。宇宙人たちの中では常識だ。
「俺たちは、たとえウルトラマンがいなくても未来を切り開くことができるように、努力しないといけないんだ」
そうだ、この身にたとえゼロがどうかしていなかったとしても、自分はルイズや仲間たちのためにまずは頑張って行かないといけないのだ。手に入れた力におんぶにだっこじゃいざと言うときに何もできなくなったりするかもしれないし…。
…いや、違う。俺はただ、あいつに…『ゼロ』に頼りなくないだけなんだ。あいつのせいで、本当は助かるかもしれなかったラ・ロシェールの人たちが犠牲になってしまった。もしかしたらその前のディノゾールとの戦いの場となったトリスタニアの街の人たちもそうなっていたのかもしれない。そう考えると、ゼロに頼ることなんかもっての外だ。
「わからないわよ…レコンキスタはいくら同じ人間でも、平和を乱す侵略者じゃない…」
敬愛する姫、アンリエッタとウェールズを引き離し、怪獣さえも操ってアルビオンの大地を地で汚し続ける。ルイズにとってレコンキスタは憎むべき敵でしかなかった。
今感情がすっかり高ぶっているルイズにこれ以上言っても納得したりはしないだろう。サイトは話の話題を変えることにした。
「そういや、お前…結婚するんだよな」
自分に抱きついたままのルイズの頭を撫でながら、サイトは言った。
「…おめでとう、ルイズ」
ルイズはきっと幸せになるだろう。所詮使い魔でいつか地球に帰る自分が守るよりも、ワルドと共にいて守ってもらう方が幸せだ。
「…あんたは…
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