喪失-ロスト-part2/ルイズの結婚
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してここに残って戦おうとするの?」
「それは…」
ついさっき、ウェールズは死ぬために戦いに臨もうとしていた。でも、きっとさっきのグレンの説得で立ち直ってくれたのだと思う。サイトは、もしこの国を出た後にグレンと機会があったら、ぜひ友達になりたいとも思った。
「大切なものを守るためだって言ってた」
「なにそれ?愛する人より大切なものがあるっていうの?」
ルイズの頬を涙がつたった。サイトはルイズの小さな体をぎこちなく抱きしめた。今のルイズはわからないだろう。その愛する人のためにウェールズは戦おうとしている。
「俺さ、トリステインに戻ったら、お姫様に頼んで、もう一度ここに行こうって思う」
「どうして…?」
「俺は、怪獣や星人の攻撃を受けてきた地球の人間だから、俺の知っている限りの知識とか少しでも役に立たせたいんだ。お前からもらったガンダールヴのルーンもあるし、皇太子様たちを助けたいんだ」
そうだ。これこそが自分にできることなんだ。ゼロに頼らなくてもできる…いや、この異世界では俺にしかできないことだと思う。他の誰でもない、俺にしかできないこと。
「俺の見立てだと、多分レコンキスタって奴らの裏では、異星人が絡んでいると思う」
「イセイジン?」
なんだそれは、とルイズは顔を上げてサイトを見る。
「まあ、簡単に言えばこの世界から見れば俺みたいな、違う世界の人間…なのかな?でも姿かたちは人間とはまるで違う奴らが多いし、ウルトラマン以外のそいつらって、侵略目的で来る奴ばっかだったからな」
「じゃあ…もしかして、レコンキスタは…!」
「星人に操られているか、利用しあっているのか…なんにせよ手を組んでいるって思う。そうでないと、怪獣なんて人知を超えた奴らを人間が戦争に使えるわけがないよ」
「…私も行く。姫様の大切な想い人だもの。死なせたくない…姫様と皇太子様を引き裂く貴族派を許せない…!!」
サイトの話を聞いて、ルイズはギュッと手を握った。ルイズにとって、アンリエッタは忠誠を誓うべき相手というだけではない。やはり幼き頃に互いに育んできた友情を今もなお抱いているからこそ、戦場へ向かうウェールズを助けたいと思う。
(やっぱ優しい所あるんだな)
最初に会った時の高慢で偉そうなだけの見栄っ張りは、ルイズの本来の姿じゃない。意地っ張りで恥ずかしがりで怖がりで優しい…それがルイズと言う少女なのだ。
「ねえサイト…」
「ん?」
「どうしてこんな時に…ウルトラマンは来ないのかしら?」
ギュッとサイトの服を掴んでくるルイズ。ああ、そうだな…とサイトはルイズの気持ちを理解できた。確かに、助けたい人を助けたい…こういう時こそウルトラマンには来てほしいと願いたくなる。サイト自身もそうだった。メビウスが地球を守っていた頃から、ずっとそうだった。でも…。
「…あ
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