暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
喪失-ロスト-part2/ルイズの結婚
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学校で配布された教科書でも、侵略目的で現れた宇宙人は数えきれないほどいた。地球を守護する防衛軍とウルトラマンを倒し、地球を我が物とするためにありとあらゆる手口を講じようとした。薄汚くずるがしこい手なんて当たり前だ。使ってこない方がおかしいくらいだ。
「話に合ったクロムウェルって男は、もしかしたら異星人かもしれないし、または星人に操られるだけの傀儡かもしれない。どちらにせよ、勝てる可能性は俺から見ても皆無に近いとしか思えない!」
やはり亡命をするべきだと主張するサイト。しかし、ウェールズはルイズに説得された時と同様に頑なに首を横に振った。
「それはできない。我らは勝てずとも勇気と名誉の片鱗を見せつけハルケギニアの王族が弱敵でないことを示さねばならぬ。国に最後まで残り、叛徒たちからこの国を取り戻すために戦う。それが、この内乱を防げなかった事への……王家に生まれた者の義務と責任だからだ」
なおも断る彼に、サイトは思わず立ち上がり、自分とウェールズの間に置いてある机に手をついて身を乗り出しながら強く言い放とうとした。
「なあ…ちょっと待てよウェールズ」
ふと、グレンはその時何かに気が付いたように、立ち上ってウェールズを見下ろした。
「あんた、まさか…真っ先に死ぬつもりじゃないだろうな?」
「!!」
サイトは、思わずその衝撃的な一言を言ったグレンを見た。グレンはじっと睨みつけながらウェールズを見下ろし続けていた。対してウェールズは無言を貫いている。つまり、その通りだったと言うのが目に見えていた。
「冗談じゃねえ!俺たちは勝つために一緒に頑張ってきたんだろうが!てめえ、気でも狂いやがったのか!!?」
グレンは激昂してウェールズの胸倉を掴みあげた。頭から炎を吹き出しそうなほど、その表情から怒りがにじみ出ていた。
「君だってもうわかっているのではないかな。僕の存在は貴族派がトリステインに攻め込むための格好の口実になりかねない。アンリエッタとゲルマニア皇帝の縁談において最大の邪魔者でもある。彼女に、国や国民を裏切らせろと言うのか?
僕はアルビオンの王子として、この国を守らなくてはならないんだ。その代償が我が命であってもだ」
鬼の形相で睨んでくるグレンから、ウェールズは視線を背けたまま淡々と言った。その言い分が、貴族平民なんて境界を越えた…一人の男としてグレンは不満をぶちまける。
「なんだよそれ…惚れた女にとって自分は迷惑だから?馬鹿を言え!惚れた女を取られたから命を捨てるって言ってるようなもんだろ!!貴族以前に、男として情けないだろうが!!トリステインの姫さんのためにも、泥水啜ってでも、石にかじりついてでも生きろよ!親父さんからも生きろって言われただろ、ウェールズ!!」
「…僕だって…」
目元に影を作ったウェールズが、自分の胸倉を掴むグレ
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