用心棒‐グレンファイヤー-part3/炎の空賊たち
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免だぞ!」
「…」
呆れたのはサイトだけではない、キュルケとさっきからビビり気味のギーシュもあからさまにルイズの発言を非難した。タバサは相変わらず無表情を通し続けて何も言ってこない。
「な、何よ!だからってこんな薄汚い空賊に気後れしたら貴族の名折れじゃない!」
「へえ…あんた、頭と船長の前でずいぶんとでけー態度だな。自分の強さに自信があるのか、それともお仲間の言う通りただの馬鹿なのか?」
逆に仲間たちへ言い返すルイズに、グレンは声をあげて笑った。サイトたちと比べて明らかに馬鹿にされた気がしたルイズはその少年をキッと睨み付ける。
「用心棒だがなんだか知らないけど、貴族である私に何の礼節もわきまえないなんて、無礼にもほどがあるわよ!」
「がはははは!お嬢ちゃん。あんましなめきった態度はとらねえほうが身のためだってママに教わらなかったかい?」
三兄弟船長の内、左側に立っていた男がガラガラ声を発しながらルイズに馬鹿笑いするが、頭が「まあ待て」と立ち上がりながらその男の言葉を止めさせた。
「で、あんたところへ何しに行くんだ?明日にでもあんたが会いたがってる王党派共は消えちまうよ?」
「王党派は、そんなに不味い状況にあるのか?」
ワルドが尋ねると、ふう…と頭は呆れた様子で言った。
「何も知らねえで内乱中の国に行くのか?呆れたね〜。王軍は、レコンキスタが怪獣を使役しているおかげもあってか、その戦力差は圧倒的なもんさ。もうじき、ニューカッスルまで王党派共は追い詰められて孤立。このまま黙ってたら滅ぼされるのも時間の問題さ。窓の外、見て見ろよ」
頭が自分の背後にあるガラス張りの壁の向こうを指さした。壁そのものがガラスだから、空の景色を一望できた。
よく見ると、アルビオンの空を、翼をもつ怪獣たちがすでに飛び回っていた。『火山怪鳥バードン』『超古代竜メルバ』『宇宙有翼怪獣アリゲラ』その他数体ほどさまざまだ。
「見ろよ、連中は何匹かすでに空を飛ぶ怪獣を放ってる。逆らえば命はないって言ってるのが丸わかりだ」
急いで疑似空間から脱出できたのはよかったかもしれない。島が消滅する前に、あいつらに見つかっていた可能性があった。
とはいえ、すぐにあの怪獣たちが手を出してこないのは、操る者たち=レコンキスタも迂闊に味方になってくれる空賊、または他国の船を打ち落とすことはできないからである。
「怪獣を操る!?そんなやつらを相手に王党派は戦っていると言うのか…!」
(お姫様の言う通りだったのか…)
ギーシュが声を上げる一方で、サイトは窓の外に見える怪獣たちを見て苦い顔をした。同じ星で生きる者同士の戦争にまで怪獣を駆り出すなんて、とてもこの世界の人間だけでできるようなこととは思えない。一体どこの誰がこんなことを…!自然と拳が握られた。
「確かに、魔法衛士隊をあっ
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