用心棒‐グレンファイヤー-part3/炎の空賊たち
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たことはわかった。でも、グレンファイヤーがいるのなら、別に自分がいなくてもよかったのではないのか?
――――俺って、この世界で本当に必要な奴なのか?
「見て、島が消えていくわ!」
キュルケが甲板から地上を指さして叫んだ。遥か向こう側から、だんだんと林が・池が…そして島そのものが消え始めていたのだ。ベル星人がグレンファイヤーに倒されたことで、存在を維持できなくなったのである。このままでは、空間ごとこちらも消滅しかねない。
「おい!」
空賊の下っ端の一人がサイトたちに向けて怒鳴ってきた。その怒鳴り声に驚いたルイズは震えながらも、強がってその空賊を睨み付けた。
「な、何よ!うるさいわね」
「うちのグレンのファイトに見とれてたのはわかるがよ、お前ら自分の立場忘れてねえよな?」
空賊は自分たちが優位に立っているとはっきりわかっている状況では相手より下手に出ることはない。杖を持たないメイジなど自分たち平民とも特に変わらず、特に恐れるだけの要素はないから、その空賊はルイズの気迫に全く動じようともしない。
「頭のところに連れてってやる。来な」
消えていくベル星人の疑似空間を発ち、サイトたちは空賊たちに周りを囲まれた状態で、船内へと連行された。
「島がすっかり消えてしまったな…」
ちょうど窓の外の景色が見えたギーシュは呟いた。その時にはもうベル星人の作り出した島…疑似空間は跡形もなく消え去っていた。すると、ギーシュは空賊から頭を拳で叩かれた。
「痛て!」
「黙って歩け!」
階段を下り、しばらく廊下を歩かされ続けると、奥の方に見えた扉の前にたどり着いた。下っ端がその扉のドアノブに手をかける。
中では頭と思われる男が、ガラス張りの壁の前の机に両足を乗せながらイスに座っていた。その横には、あの炎の巨人に変身した少年と、下っ端たちから船長と慕われる三兄弟の壮年の男たちが立ち並んでいた。
頭は真っ黒に汚れたシャツを着用し、ボサボサの金髪を赤いバンダナで左目も覆い隠す形で纏めていた。空賊と言う割に、容姿には若々しさが残っていた。頭はルイズ・キュルケ・タバサを見てにやりと笑った。
「こりゃ結構華やかな貴族様ご一行だな。可愛いねぇ」
頭はその態度が癪にさわったルイズは声を荒げ要求を突きつけた。
「黙りなさい下郎!わたしは王党派への使い、トリステインを代表してそこへ向かう大使よ。だからあんた達に大使としての扱いを要求すわ!!」
サイトはそんな彼女に僅かながら呆れてしまった。
「お前バカだろ……こういう時は嘘でも貴族派って言うところだろ」
「ダーリンに同感ね。あなた、もしかしてあたしたちと、悪い意味で運命を共にする気かしら?」
「ルイズ!君は迂闊と言う言葉の意味を忘れたのかい!僕はここで空賊に殺されて死ぬなんて御
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