用心棒‐グレンファイヤー-part3/炎の空賊たち
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けて急降下した。いや、ミサイルと言うよりも隕石が落下した蚊のようにも見受けられた。ベル星人が作り出した疑似空間の大陸に、何十メートルもの水柱が出来上がるほどの土しぶきを上げながらベル星人は落とされた。背骨も石柱も見事にへし折られ、ベル星人はグレンからようやく放された時には複眼に輝きもなく、ピクリとも動かなくなった。
「いやっほおおおおい!!!」
「「「「うおおおおおおおおおおお!!!」」」」
勝利のガッツポーズを決めながら飛び跳ね、髪を書き上げるように頭を撫でて炎を顔から噴き出したグレンを見て、空賊たちはかなり盛り上がりだした。あまりにもうるさく、タバサはサイレントの魔法で一時的にその喚き声を聞こえなくした。
「な、なんて乱暴な戦い方なんだ…」
ギーシュは戦い方もかなりパワフルと言うか粗暴さが目立つグレンに引いていたものの、その熱き戦いには目を放せなかった。
「グレンファイヤー、か…あたしの微熱がこんなに見るだけで燃え上がりそうになったのは初めてだわ!後でお話をたっぷりお聞きしたいわね!」
キュルケはグレンの熱い戦いぶりに、心底見惚れてしまっていた。相変わらず惚れっぽすぎるその熱のこもった視線がその証拠。ルイズは「この色ボケが…」と心底呆れかえっていた。まあ、これでキュルケが本気になってくれるなら、人の使い魔にいちいちちょっかい出してくる心配がなくなってくれるから助かるのだが…。
「…」
サイトもまた、炎の用心棒グレンファイヤーの闘いを決して見逃すことなく見続けていた。
まさか、この世界にはウルトラマンじゃなくても怪獣と対することのできる戦士がいたということに。そしてその実力も荒っぽいがかなりのものだった。なにより、周囲のことを顧みようとしなかったゼロと違い、とちゃんと自分の仲間である空賊たちを戦いに巻き込もうとまではしていない。
それに比べて、自分は一体何をしていたんだろうか。ただ…見ていただけじゃないか。考えてみれば、自分はただ怪獣のことを知っているだけで、それを倒すだけの力なんて持っていない。
サイトは、思った。
ルイズには婚約者がいる。自分と比べたら男としても立派だし、自分はいつか地球に変える異世界人。ルイズにいったい何をしてやれる?
もう一つ、この世界には、俺以外にもう一人ウルトラマンがいて、なおかつ強い。しかもゼロと違ってちゃんと力の使いどころも分かっているし、周囲への被害も常に考慮していた。
さらに今回、この世界にはすでに、怪獣を相手に戦うことができるほどの実力者がいた。サイトがアルビオンに来たのは、使い魔としてルイズがアンリエッタから請け負った任務の助力だけじゃない。アンリエッタがアルビオンの反乱軍が怪獣を使役していると言う話が本当なのかを確かめることもまた理由の一つだった。アルビオンにまで奴らの魔の手が忍んでい
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