用心棒‐グレンファイヤー-part3/炎の空賊たち
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のだ?色々と浮かぶ疑問にサイトは頭がパンクしそうだった。
「へへ…炎の用心棒、『グレンファイヤー』様参上!!」
自身に親指を向けて堂々と、その炎の巨人『グレンファイヤー』は名乗って見せた。さっきまでの声変わり前の子供臭い声から一転、グレンの声は熱血青年のそれらしいものに低くなっていた。
「ほらほら、そこの怪人、だんまりしてねえで来な!」
ベル星人に向けて、グレンファイヤーは人差し指でくいくいと手招きして見せた。
しかし、いかに変身したからといってベル星人の得意技である超音波が効かなくなるわけではない。
――――キィーーーーーーーーン
「おう!!?が…!!」
聞くに堪えず、グレンファイヤーは耳を押さえた。頭の中にまでガンガン響く超音波はグレンの脳にもダメージを与えていく。ベル星人は容赦なく隙だらけのグレンを蹴り倒し、そのまま倒れたままの彼をボールのように蹴り続けた。果てに、ベル星人は馬乗りになってグレンの頭を両手で握りつぶしにかかる。
「痛って!!ほぐ!?…っの野郎!!」
いつまでも受け続けてたまるものか。グレンは背中を蹴りつけてベル星人を突き飛ばして立ち上がった。蹴り飛ばされ、星人が地面に落ちようとしたところで、彼はベル星人の頭を鷲掴みにしてジロッと星人を睨み付けた。
「やられた分はきっちり返させてもらうぜ…そうら1、2、3ってな!!!」
暑苦しい…いや、熱い上に滅茶苦茶固い石頭で頭突きを立て続けに受け、ふらついたベル星人。ベル星人はグレンファイヤーの背中を蹴って、真っ向勝負では勝てないからと怖気ついたのか空へ飛んで逃げ出した。
「まずい、逃げられる!」
「あの怪人、こっちを貶めておきながら尻尾撒いて逃げるなんて!卑怯なことこの上ないわ!」
逃げていくベル星人を見て声を上げるサイトとルイズ。
「んなろう!逃がすかってんだ!」
グレンファイヤーも空へ飛び、ベル星人を追いかけた。空に浮かぶ雲を、二体の巨大な影はいくつも潜り抜けた言った。グレンファイヤーとしては、雲は湿っぽいので好きじゃない。ずっと浴び続けたら自分の炎も熱いハートもが鎮火してしまう。とっとと捕まえて倒すに限る。鬼ごっこが始まってしばらく、彼はベル星人の足を捕らえた。
「こいつは効くぜ?セミの怪人さんよ。今のうちに、閻魔様への言い訳でも考えとくんだな!」
宙に浮いたまま、彼はベル星人の頭を地面に向けるようにして抱えた。離せと言わんばかりに星人は必死にもがくものの、グレンの腕の力は筋肉質な外見に見合うだけのパワーを持ち、とても脱出することができなかった。
「いっくぜえ…これが俺様の、〈グレンドライバー〉あああああああああ!!!」
まさに火を噴くミサイルのような勢いで、すさまじい雄叫び挙げながらグレンファイヤーは地上に向
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