用心棒‐グレンファイヤー-part3/炎の空賊たち
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ると、この空賊たちの切り札らしき人物の姿があった…が、それは意外な外見をした人物だった。
「こ、子供…?」
灰色の髪とキュルケのように日焼けした肌を持つ、サイトたちより多少年下に見える少年が、眩い太陽の光に照らされながら操舵室の屋根の上に立っていた。そしてその操舵室の屋根の下に、髑髏マークの眼帯を身に着けたり赤い羽根を飾った帽子を被ったりと見るからにガラの悪い格好をした壮年の男三人がいた。
「わしらの庭におかしな奴らがいるな」
「レコンキスタの飼っているトロル鬼じゃないようじゃがのう」
「人んちの庭に土足で入り込むとはふてえ奴じゃ!やっちまえグレン!」
男たちに口々に言われたその少年『グレン』は髪をかきあげ、無邪気に笑いながら戦艦に迫ろうとしているベル星人を見る。
「へへ、こんなのオイラにとっちゃ朝飯前よ」
この少年には絶対の自信があった。オレンジ色の瞳の中に炎をちらつかせながら、余裕の態度を決して崩さない。しかし、ルイズたちから見れば無謀な挑戦にしか見えなかった。まず体の大きさが違いすぎる。近付いた途端踏みつぶされるがオチだ。
「何考えてんのあいつ!?まさか、あの変な怪人相手に戦う気!?」
「そ、そうだ!人間の子供なんかにあいつが倒せるなんて、正気の沙汰の言葉ではないぞ!」
ルイズとギーシュが騒ぎ出すと、周囲にいきなり発砲音が響き、ルイズたちを驚かせた。
「黙って見てろやガキ共!」
どうやら空賊の一人が、二人の喚き声をうるさく感じてわざと空に向けて発砲したようだ。効果覿面、二人は大人しく黙った。ギーシュがビビっているのに対し、ルイズは不満げな顔のままだった。
「………」
ワルドとタバサは、あの少年をただ静かに見た。空賊風情が怪獣相手にたじろぎもしない謎が、あの少年が一体何者なのか、これではっきりできる。サイトもしっかりこの目に焼き付けようと、少年とベル星人を凝視した。
「いっくぜ…ファイヤあああああああああああ!!!」
瞬間、グレンの体が燃え盛るマグマのような炎に包まれ、空に飛びあがった。いきなり人間の体から炎
が吹き上がったことにも驚かされたが、そのまま遥かな空に飛び立ったことにも驚かされた。彼の姿が太陽と重なった時、一つの火球となった彼は地上に降り立った。
地上へ豪快に落ちてきたその火球は、見る見るうちに人に近い姿へと変わっていく。
「な、なんだあいつは…!?ウルトラマンじゃ…ない…」
火球の炎が鎮火すると、その火球は炎を象った顔をしたオレンジ色の巨人へと姿を変えたのだった。
グレン少年が姿を変えたそのオレンジ色の巨人、見るからにウルトラマンたちの特徴とは大きくかけ離れてしまっている。全く別の種族の巨人だった。一体何者なんだ?どこの星人なんだ?そして、なぜ空賊たちとつるんでいる
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