用心棒-グレンファイヤー-part2/浮遊大陸X迷入
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きている。この錆だらけの骨董品同然の姿をしているなら不思議と納得がいきそうだ。もしかしたら単なる放置状態のせいだろうが。ともあれ長寿な彼さえ見たことがないという。しかしサイトは意外と驚かない。
なぜなら…サイトは見たことはなくても『知って』はいたからだ。たった今、彼らの前に姿を現した、ついさっき茂みから触手を伸ばしてルイズを引きずり込もうとしたその怪物……
『宇宙蜘蛛グモンガ』のことを。
「な、なに!?なんなの!?モンスター!?」
「なななななんだ!!?ここ、これは!?」
「二人とも落ち着け!隙を見せたらやられるだけだぞ!」
見たこともないモンスターの姿に激しく動揺しきるキュルケとギーシュに、ワルドが怒鳴った。さっきの船員たちは、間違いなくこいつに襲われたのだ。
「皆、背を低くして鼻と口を塞ぐんだ!」
驚く皆に、サイトがパーカーのフードをマスク代わりにして自分の口回りを塞いだ。ガスを吸ってしまったら、こいつに襲われた船員たちの二の舞になる。彼の思惑通り、グモンガは彼らに向けて鼻から毒ガスを噴出してきた。が、グモンガの攻撃手段が毒ガスとわかった以上恐れるものはなかった。ワルドがすでに風魔法の詠唱を完成、風を起こしてグモンガの毒ガスを押し返してしまった。
「ギィイウゥウゥ……!!」
ミツバチは自らの毒で死ぬ。それは怪獣にも通じる話だった。自分の毒ガスを押し返され、逆に自分が吸い込みすぎたグモンガは自らの毒でもだえ苦しみ始めた。
「さっきはやってくれたわね…フレイムボール!」
先ほどのお返しと言わんばかりに、キュルケが魔法で形成された炎の火球を数発、グモンガに放った。止めの攻撃を受け、グモンガは火だるまにされ、力尽きた。
「ぐ…げほ!」
「なんとかやっつけたか…」
呼吸をしばらく止めさせられる。これは呼吸しなければ生きていけない生物にとって苦痛。当然息を止めていたサイトたちはひどくせき込んだ。
「俺っち剣でよかったぜ。何せ呼吸しなくてもよかったからよ」
ワルドの風魔法で毒ガスが霧散したからよかったようなものの、皆が息苦しい思いをする中一人だけ鉄の塊であるのをいいことに楽をしていたデルフは安心しきった声を出す。
「こういうときは、悔しいけどあんたが羨ましいわね…」
そんなデルフを見てルイズは軽く睨み付ける。
「しかしサイト君、よく奴が毒を吐くと気付いたね?もしや、知っていたのか?」
「はい、こいつはグモンガ。俺の故郷に現れた怪物です。奴は鼻から毒ガスを吐いて獲物を襲うんです」
ワルドからの問いに、キュルケによって火だるまにされ焼け死んだグモンガの焼死体を見ながらサイトは頷いた。
「意外に物知り」
「以外は余計だぞ、タバサ」
褒められてるようで馬鹿にもされているような気がしたサイトは、タバサのさりげない
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