婚約者-ワルド-part3/ゼロの過ち
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撃はできない。
「ルイズ、ギーシュ君は避難するんだ。ここは僕もラ・ロシェールの軍に加勢しよう」
自分のスクウェアクラスの風の魔法ならば、あの花粉を街の外へ追い出すことはできるはず。ここにいる以上、その力を無駄に温存するより自らも出向くべきと判断したワルドは得物であるレイピア型の杖を出した。
「ワルド!」
ならば自分も行く!そうワルドに言ったのだが、ワルドはそれを拒んだ。
「ルイズ、無理をしてはならない。君は姫殿下から大事な任務を請け負った身だ。本来成さなくてはならないことを、忘れてはならない」
「でも…」
貴族として、使い魔やこの街の人々を見捨てるわけには…避難を渋るルイズだが、ワルドが身をかがめてルイズの頭を優しく撫でた。
「命を投げ打つことだけが、何も姫殿下に貢献することじゃない。君はアルビオンのウェールズ皇太子から手紙を預かってトリステインに帰る。そのためにも生きなくちゃいけないんだ。いいね?」
ルイズは俯いて黙りこんでいる、まだ納得していないようだ。すると、ギーシュもルイズの説得に乗り出した。サイトの女性問題で暴走するときのルイズならとても無理だが、今のルイズなら説得に応じてくれるはず。
「ルイズ、何もできないと言うのは悔しいが、あの怪獣の花粉が火薬以上の恐ろしさを秘めているなら、君の魔法ではかえって事態が混乱するだけということになる。たとえ予測の範囲内の話であっても、万が一君の魔法があの怪獣に当たって誘爆を引き起こしたら、君の手でこの街を破壊することになる。それでもいいのか?」
「…わかったわ」
悔しいがギーシュの言う通りでもある。ルイズとギーシュは苦い思いをしつつも、避難先へ急ぐことにした。姫から預かった水のルビーと、手紙を大事に抱えながら…。
ワルドはその後ろ姿を見ると、自分の使い魔であるグリフォンを指笛で呼び、その背中にまたがって空へ羽ばたいた。
「フン…デア!!」
ネクサスは胸のエナジーコアに腕輪『アームドネクサス』を当ててから振り下ろすと、真紅の形態『ジュネッスブラッド』へ形態変化する。
いつ何かの拍子で、ラフレイアの花粉に引火しないとも限らない。やはりここは、メタ・フィールドにラフレイアを連れ込む必要がある。ネクサスは両腕のアームドネクサスを重ね合わせ、メタフィールドを形成する光線〈フェーズシフトウェーブ〉を空に放出しようとした時だった。
「グワ!!!?」
どこからか飛んできた紫色の光弾が、背後からネクサスを吹っ飛ばした。お蔭でメタ・フィールドの形成に失敗してしまうネクサス。この攻撃には、覚えがあった。間違いない…。
「フッフッフッフッフ…」
不気味な笑い声が聞こえてきた。ネクサスの前に、彼の思った通り奴が…『闇の巨人 ダークファウスト』が立っていた。ちっ、と舌打ちするネクサス。こいつ
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