婚約者-ワルド-part3/ゼロの過ち
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ルイズは目を釣りあがらせる。
「え、ええっと…ワルドだっけ。いい人そうじゃん。今まで会ってきた貴族と違って貴族風を吹かせてないし」
そう言うと、サイトは荷物を抱えてそそくさに宿の方へと向かって行った。ルイズはあまりにも意図的に避けているサイトの接し方に不満を覚えていた。
「何よ…サイトの馬鹿」
貴族を相手にする街一番の宿であるからか、『女神の杵』の内外の造りはやはり豪華で、サイトは思わずはしゃいだ。用意された夕食もかなり上等なラインナップとなっている。
「すげぇ……スプーンまで金ぴか」
元は異世界人であることや金持ち出身でないサイトが興味を持つのは当然だろうが、あまりにもみっともなく見えたギーシュは注意する。
「サイト、あまり田舎平民臭い仕草は止めたまえ」
止めるように言うものの、サイトはもともと好奇心旺盛な性格だ。きっとこの先、自分にとって物珍しいものを目の当たりにするたびにこんな行動をとっていくだろう。
「それにしても人を使い魔にするなんて、君はすごいな」
「ワルド様までそんなこと…」
サイトとギーシュの向かい側のテーブルには、二人と向かい合う形でワルドとルイズが座っていた。
「皮肉を言ってるわけじゃないよ。これはすごいことなんだ」
すると、ワルドはちょうど正面の向かい側に座っているサイトに目を向ける。
「サイト君、君はギーシュ君と決闘したそうだね」
決闘の話を持ち出され、ギーシュは思わず喉を詰まらせかけた。
「しかも、その時に初めて剣を持ってギーシュ君を圧倒したそうじゃないか。しかも、フーケから奪われた破壊の杖を取り返し、破壊の杖を使ってフーケのゴーレムを打ち砕いたとも」
「え、ええ…まあ」
このワルドと言う男、色々と情報通らしい。魔法衛士隊という役職に就いているためか、色々と詳しいようだ。
「それで君の力に興味が沸いてね…ぜひ、僕と手合わせを願いたい。構わないかな?」
それを聞いた途端、ルイズが驚いてワルドを見る。
「それってもしかして…サイトと決闘するということ!?」
サイトも一瞬驚いた様子でワルドを見たが、特に断る理由がないので受けることにした。
「別に、いいですけど…」
『よく言ったサイト!この喧嘩は絶対に勝てよ。そしてぶちのめせ!場合によってはぶち殺すことも俺が許可する!!ボコせ、ボコすのだ!!フーッハハハハハ!!』
『……………』
なんか頭の中にうるさいギャラリーがいますが…。確かにワルドに関してはサイトも内心もやもやしているが、だからって決闘を許可しますって…。今更ながらこいつほんとにウルトラマンですかと疑いたくなる。なぜかゼロの最後の高笑いが、とあるアニメで見た、何とかゲートを求める中二病な自称狂気のマッドサイエンティストみたいに聞こえる。よほどワルドが嫌いになったらしい。
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