婚約者-ワルド-part3/ゼロの過ち
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きのゼロを黙らせ、圧倒するのに十分だった。
――――バキィイイ!!!
ネクサスはゼロの首を左手で掴むと、骨まで砕いてしまうほどの勢いで彼の顔を右拳で殴り飛ばした。
「ガハ…!!!な、なにしやが…」
地面にダウンさせられたゼロは訳も分からず、反射的にネクサスを睨み付けた。するとその時、ラ・ロシェールの人々は、ゼロに向けて一斉に罵声を浴びせた。
「てめえ!よくも俺たちの町をぶっ壊しやがったな!」
「ドンパチやるなら他でやれよ!」
「あたしの店がめちゃくちゃよ!どうしてくれるのさ!」
「お前が余計なことをしたせいで、余計な犠牲が出たじゃないか!!」
「俺の妻を返せ!!お前が起こした爆発のせいで死んだんだぞ!!」
「私の坊やは、今の爆発で死んだのよ!!なんてことをしてくれたの!!」
ゼロは、街の人たちを見て呆然としていた。怪獣をやっつけることが、ラフレイアに襲われたこの街の人々の望みだったはずなのに、それを叶えた自分が恨まれている。
ふと、ワルドの姿もゼロの目に映る。その時のワルドの目を見ると、手に取るようにゼロをどう思っているのか読み取れた。さっきの戦いで怪獣を倒すために周囲のことを顧みなくなったゼロを、酷く軽蔑していたのだ。ワルドはルイズとギーシュと合流するため、自分が乗るグリフォンを街の中へと飛ばした。
ネクサスはゼロに背を向けて歩き出すと、彼の視線よりも突き刺さるような目でゼロを睨み返した。その視線を受けてゼロは思わず息を詰まらせた。そして、ゼロにとって最も屈辱的で、ショックを受ける一言を言い放った。
「この恥知らずが…!!」
あまりの剣幕に、ゼロはこれまでサイトと喧嘩腰で会話していた時のように言い返すことができなかった。
ゼロを軽蔑していたのは、無論ネクサスや町の人たちだけじゃない。
『なあゼロ。聞こえてんだろ。町の人たちの、お前に対する恨みの声が…怨念の叫びって奴が!』
彼と肉体を共有している、サイトからもだった。
「…」
『お前、真のウルトラマンになりたいんだろ?なのに…このありさまはなんなんだ!皆、俺たちを見て悪者扱いしている!これがお前の望みだったのか!?』
ゼロは、何一つ言い返すことができなかった。
ワルドを見返すつもりだった。ただそれだけでよかった。なのに、その結果がこのざまだった。ワルドを見返すどころか、寧ろ彼以外からも罵倒と軽蔑・憎悪の対象にされている。
「……………」
誰にも、何も言い返せないままのゼロは青白く発光した後、逃げるように姿を消した。
ゼロから肉体の主導権を返されたサイトは、酷く苛立った表情のまま、ルイズたちと合流するため街の中を歩いていた。ラフレイアの爆発で、窓ガラスがすべてわれてしまっただけでなく、焼け落ちたり粉々に吹っ飛んだりした建物。自分たちが守ろう
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