婚約者-ワルド-part3/ゼロの過ち
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た破壊兵器が使われたかのような、ほとばしる大爆発がラ・ロシェールの街から起こった。
「「「「!!!!」」」」
ルイズ・ギーシュ・ワルド・マチルダもそのあまりの爆風に、呆気にとられていた。条件反射で自らの身を腕で覆ったりする間も与えられず、爆発はあっけにとられる彼女たちに襲いくる。
凄まじすぎる爆風だった。街の窓ガラスは一斉に割れて散り、爆破が起きた場所付近の建物はあっと言う間に屋根から粉々に砕け散っていった。
街はたちまち火の海となった。
ただ、一部を除いて。
「ぐ…!!!」
ピコン、ピコン、ピコン!!!
激しく鳴り響く点滅音と共に、爆発の張れた場所からネクサスの姿が現れた。彼の体から煙が吹いていた。ついさっきまで、彼の体にも爆風の熱気が襲い掛かり、酷いやけどを負わせてしまったのだ。彼のちょうど背後には、窓ガラスが割れたり爆風で壊れた建物もあったが、かろうじて火の海にならず、扇を象るような形で街は辛うじて完全壊滅を免れたのだ。
あの爆発の寸でのところで、ネクサスはファウストにひじ打ちを食らわせ、〈サークルシールド〉を用いて自らと街を爆風から守ったのだ。その結果、爆風が光の盾に遮られ、斜め方向に逸れたことで、街の形が扇状になったのである。
しかし、扇形の外側の位置の街は、建物は焼け落ち、そこにいた人々の焼死体がいくつも発見された…。
「ああ、街が…俺たちの街が!!」「私の家が…そんな…」「あ、なた…あなたああああああああ!!」「ママああああああ!!」「ディ、ディックが…うああああ…!!!」
大切な人たちと、住み慣れた町の変わり果てた姿に、ラ・ロシェールの街の住人達は絶望の声を次々と挙げていた。
「……………」
―――守れなかった。
爆風に紛れたのか、いつの間にか消えたファウストのことなどもう眼中になかった。ネクサスの拳が、強く握られた。そんな彼を、マチルダは地上から見上げていた。彼女にとってこれが初だった。ネクサス=黒崎修平と言う男が感情を露わにしたのを見たのは。あまりにも悲しそうで、悔しくて、自らの不甲斐なさを怒り呪いながら身を震わせていた。
そして、彼の怒りの矛先は…ある男に向けられた。
「ぐ…くそが…!」
テクターギア・ゼロ。この場で最も間近で爆風を受けたのだが、訓練用であるため実践では足かせでしかないテクターギアが彼のみを守ったため、ダメージは全くなかったわけではないが、痛みは大きく軽減されていた。だが、これで今日も怪獣を撃破することはできた。
しかし…ゼロが達成感を感じる一方で、周りの反応は冷たかった。…いや、冷たいと言う一言さえ生ぬるかった。
ネクサスが、ゼロの下に歩み寄ってきた。その足取りは、あまりにも重みを感じさせられた。そして、彼から発せられている負のオーラは、彼を見たと
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