婚約者-ワルド-part3/ゼロの過ち
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ファウストにまず飛び蹴りを放つ。それを防いだファウストはネクサスが着地すると同時に両手で連続でジャブを放つ。それを両手で叩き落とすように受け流し、ネクサスはファウストを前方に向けて蹴り飛ばす。胸を強く打ったが、やはり致命的なダメージに至っていなかった。
ファウストは、思った通り強い。これでは時間がかかってしまう。その間にゼロは、あの必殺の炎の蹴りでラフレイアを倒すだろう。ラフレイアは可燃性だから、一発でも火を浴びれば死に至るにしても、周囲への被害は凄まじく、深い爪痕も残るに違いない。急がなければ、急がなければ…!
その焦りが、ネクサスの動きを鈍らせる。〈シュトロームソード〉を出してファウストを切りつけようとするネクサスだったが、バックステップやバック転などの軽快な動きでファウストは次々と回避していた。ファウストは滑稽に思ったのかくっくっくと笑う。こいつは今、ゼロを止めることに頭が行き過ぎて冷静さを失いかけている。
そもそも、今のゼロとネクサスは、知り合う以前に会ったばかりで息が合っているような間柄ではない。もし息を合わせるだけの関係ならば、ファウストの相手をゼロに任せ、ネクサスはメタ・フィールド内にラフレイアを閉じ込めるといった、最善の手を取るはずだ。それができていない辺りからしてファウストは、今のこいつらは自分の敵ではないと断言できる。
「フン!!」
ファウストは光弾〈ダークフェザー〉を連発すると、ネクサスは剣でそれらを切り落として無効化していくが、ほんのわずかな隙を見極めたファウストはネクサスを被弾させ怯ませる。その間にファウストはネクサスを背後から羽織締めて動きを封じ込めた。
その時、ネクサスとファウストの視線の先に、足の炎を纏ってラフレイアと対峙するゼロの姿がうつった。
「離せ…!!」
まずい!ネクサスはすぐにでもファウストを振りほどこうと必死にもがくが、ファウストの力は強く、半端な締め付けではなかったために振りほどくことは叶わなかった。
「止めだ…!!」
この一撃で、ワルドの妄言を撤回させてやる!!
ゼロは、最悪なことに足の炎をまとわせ、ついにラフレイアに向けて飛び上がった。
「止せえええええ!!!!」
ファウストに羽織い締めされ、身動きが取れないままのネクサスは、ファウストの腹に肘内を叩き込んで脱出し、ゼロをとめようと駆け出したが、もう手遅れだった。
〈ウルトラゼロキック!〉
ゼロの必殺の蹴りが、ラ・ロシェールの住人たちにとっての悪夢の呼び水となった。ネクサスがファウストの拘束から抜け出た瞬間に、ラフレイアの体がゼロの蹴りによって炎に包まれた。
瞬間、ラフレイアの体内の可燃性の花粉が引火した。
「!」
気付いたときには、もう遅かった。ラフレイアの花粉に引火したことで、まるで世界大戦にて使われ
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