婚約者-ワルド-part3/ゼロの過ち
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笑ってくるファウストに、不快感をあらわにしながらネクサスはファウストを睨み付けた。こいつをなんとかして突破しなければ…。
「ウオオオオオオオ!!!」
頭に血を登らせたまま、ゼロはラフレイアに突進した。最初はタックルで体当たりし、ラフレイアに掴みかかり、ジャブストレートで拳を連続で叩き込むと、コンボの締めに飛び蹴りを食らわせてラフレイアを怯ませた。
ラフレイアも敵であるゼロに向かって突進し、ゼロはそれを正面からラフレイアの花弁を掴むことで受け止める。掴んでいた腕は振りほどかれ、ラフレイアはゼロの腹に頭突きをする。皮肉にもテクターギアのおかげなのか、大きなダメージではなかった。
『ゼロ…!!』
『っせえ!しばらく黙ってろ!!!』
ネクサスが何か言いかけていたことを気にしていたサイトだったが、ゼロはラフレイアとの戦いに集中しすぎていて、周りを見る余裕を保とうとさえしなかった。しかも、無理やりサイトを自分の意識の底へ押し込めてしまったのだ。そのせいで、サイトは戦いの間一切口を利くことはできず、ただ見ていることしかできなくなった。
(ワルド…俺をナメた言葉、撤回させてもらうぜ)
ひじ打ちを打ちこみ、さらに蹴りを加えてラフレイアを突き飛ばすゼロ。足払いを仕掛けられたが、問題なくゼロは飛び上がってそれを回避した。
ラフレイアが、ゼロに向けて今度は花粉を飛ばしてきた。いかにマスクで顔が覆われていたとしても、ゼロのマスクの口元が露出されている形状だから当然のごとく効いてしまう。
「グ、このやろ…」
するとその時、ゼロの周囲の空気に大きな風が巻き起こった。怪獣を吹き飛ばすような風力はなかったものの、ラフレイアの持つ花粉を街の外へ追い払うにはちょうどいい。
その風を起こしたのは、グリフォンにまたがっていたワルドだった。まがりなりにもゼロを助けてくれたのだ。
「僕は今のうちに街の住人の避難を手伝う。君はその魔物を倒してくれ」
ワルドはそう言って、まだ地上にいる、ラ・ロシェール軍の負傷者たちの下へ降りた。
余計なことしやがって…。ゼロは感謝の気持ちを起こそうともしていなかった。
こいつにだけは助けられたくなかったからだ。ウルトラマンを否定しておきながら俺を助けたと言うのか?それが余計にゼロを苛立たせた。
ゼロは仕返しに、乱暴にラフレイアに右手で掴みかかり、膝蹴りでラフレイアの腹を蹴りつける。花粉を吸った程度で倒れるほどゼロは脆くはなかったようだ。
戦闘は、ゼロの方が優位に立っている。しかし、その現状は望ましい結果なのかそうでないのか微妙なものだった。
「デア!!」
何としてもファウストを突破してラフレイアの下へたどり着かなくては取り返しのつかないことになる。ネクサスはさっさとファウストを抜けてゼロとラフレイアの下へ行こうと、
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