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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
婚約者-ワルド-part1/任務
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 ギーシュはルイズの許可もなく、突如の曲者登場に困惑気味のアンリエッタの前に跪いて言った。
「聞くと言うか盗み聞きだったじゃない!っていうかあんた、ここ女子寮と知ってここにいる訳!?」
 実際ギーシュは、ルイズの部屋を来訪しようと夜の女子寮を徘徊していたアンリエッタの姿を見ると、予定していたモンモランシーとの愛の語らいをそっちのけで彼女をストーキングしていたのである。
ルイズが怒ったように強く言ったが、ギーシュは怯まず立ち上がり、自分に任せてくれと言うようにバッ!と自分の胸を手で触れた。
「姫殿下。このギーシュ・ド・グラモンにもその任務、是非とも仰せ付けください!」
「グラモン?もしや、あのグラモン元帥の…」
「はい、息子にございます」
 ギーシュの父親も、トリステイン貴族では名を馳せた人物である。余談だが、息子同様女好きであることも有名で、結構問題視されてもいた。
「お父様も勇敢で立派な貴族ですが、あなたもその血を受け継いでいるのですね。頼もしいわ、ギーシュさん」
ギーシュは、アンリエッタが自分の名を呼んだこと、その時の花のように可憐な笑顔にメロメロになる。
「ああ…姫殿下が僕の名前を…」
大丈夫かこいつ?ホワンホワン…と失神しかけるギーシュを、サイトとゼロ、ルイズは呆れた表情で見た。
「…どうしてもルイズ、行くと言うの?」
「はい!必ずや成し遂げて見せます!たとえ姫様が頼まなくても、私が直接言ってウェールズ皇太子にお話をつけてきます!…文句は言わせないんだからね、サイト?」
 ギーシュまでも押しかけるような流れも加わり、こうなるとルイズはてこを捻っても自分を曲げてこない。昔喧嘩した時とかがそうだったし、今も当時からの性格の表れと悟ったアンリエッタは、もうルイズを止めても無駄だと判断した。
「ウェールズ皇太子はニューカッスル付近に陣営を構えていると聞いています。アルビオンの反乱軍があなたたちの目的を知ったらあらゆる手を使って妨害しトリステインを危機に追い込むでしょう……」
 アンリエッタはそう言うと、一通の手紙を取り出し、それを胸に強くぎゅっと抱きしめた。恐らく、話にあった手紙とは別に用意した、ウェールズ皇太子に送る密書だろう。
「姫様?」
「いえ、何でもありませんわ」
アンリエッタは手紙を胸に添えた。そして窓の外に向いた。
「始祖ブリミルよ。この自分勝手な姫をお許しください。自分の気持ちに嘘をつくことはできないのです…」
密書にも拘らず恋文をしたためるように、赤く頬を染めながらも悲しげに呟いていた。
「ルイズ。この手紙は任務を請け負うメイジに預けるはずだった手紙です。この任務を引き受けてくださる方にお渡しするつもりでしたが、あなたの方が大事に持ってくれると信じ、これを預けます。ウェールズ皇太子に会ったらこの手
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