婚約者-ワルド-part1/任務
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いるかもしれない」
いや、もう及んでいると考えるべきだろう。自分が召喚されて間もない日に現れたクール星人。それにアルビオンの反乱軍が怪獣を操って王党派を滅びに導こうとしている話。サイトはこれを聞き逃すわけにいかなかった。
「今お姫様が言ってたアルビオンに、それらに関連した何かあるのかもしれない。
俺は、それを確かめたいんです。この星も地球と同じ危機に陥ってるなら、それを何とかしたいんです!」
サイトは強く心の底から思っていた。実際中学生の頃にこの身で怪獣の脅威を体験した。それはもう、毎日が戦争と言えるもので、自分も被害にあった。あんな痛い思いをこの世界の人たち…ルイズたちにも及ぶと思うと耐えられなかった。
「使い魔さん…」
サイトの強い信念に、アンリエッタは感銘を受けた。その反面、やはりそれでもいかせたくないと言う想いも募る。他者のためにこんな強い信念を持てる人間は最近の欲の皮ばかり張る貴族連中には見当たらない。こんな強い人物こそ次代に生きるべきだから、アンリエッタはやはり断ろうとする。
「やっぱり、私も行くわ」
が、そんな思いに反してルイズは再び自分も任務に行くことを進言した。
「ルイズ!」
止めさせようとサイトがルイズに言おうとすると、ルイズがサイトが言うより先に自分の考えを、同じように話を聞いているアンリエッタにも聞こえるように告げた。
「あんたの言いたいことはよくわかってるつもりよ。でも、だからって何もせずに逃げ続けたら、それこそ何もできずに終わるのを待っているだけになるじゃない!あんたの世界の人間だって、ただ指を咥えてウルトラマンが勝つのを見たままでいる訳にはいかなかったから怪獣に立ち向かえた。違う!?」
「!!」
まさか、ルイズにこうして言い負かされてしまうとは思いもしなかった。実際ルイズの言う通りだ。これまでの地球防衛軍はウルトラマンでさえ敗北に追い込んだ怪獣にさえ、絶対に屈することはなかった。それどころか、明日の勝利を信じて作戦を立て、力を蓄え、数々の脅威から地球を守って未来を切り開いてきたのだ。
すっかり思い込んでいた。この国の貴族たちは見栄を張るためなら命の危機にさえ無謀に飛び込むとばかりに思っていたが、今のルイズの言葉はまさにこれまでの地球防衛軍の勇敢なる戦士たちの思いそのものだった。
「そうだぞサイト、ルイズの言っていることは正しい」
キザったらしい言い方と共に、ルイズの部屋の扉がギィ…と開かれた。
侵入者か?それともアンリエッタを追ってきた者なのか?サイトはとっさにデルフに手をつけた。しかし、入って来たのは少なくとも怪しい人物ではなかった…いや、違う意味で怪しい男だった。そこに入って来たのはなんと、ギーシュだったのだ。
「「ギーシュ!?」」
「お話は全て聞かせていただきました」
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