婚約者-ワルド-part1/任務
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きると言うのだ。
「そ、それでも…それでも姫様のお力になるのを躊躇うわけにいかないでしょ!」
感情が高ぶって意固地になるルイズは、それでもサイトの言葉に耳を傾けようとしなかった。だめだ、なんとなくあのフーケ事件で学んでくれたのかと思ったら、こいつはちっともわかっていない。あの時と同じ間違いを犯してしまうだけだ。そうなったらきっと…。
(もう、目の前で大事な人たちが死ぬのを黙って見過ごしたくはないのに…!)
怪獣や星人の攻撃で荒れ果て、燃え盛る廃墟の街。そこをただひたすらボロボロの姿で歩き、泣き叫ぶ自分。
脳裏に、自分の辛い過去が過ったサイトはこの時決意した。
「だったら、俺が行く!!」
「は、はあああ!!??」
今、こいつは何と言った?自分が行くだと?
「俺が行けば、ルイズは傷つかないし、下手な無茶だってしないと約束できます」
「ご主人様そっちのけで何言いだすの!それじゃあ私があんたより役不足みたいじゃない!」
「ルイズ、使い魔さんの気持ちを無下にしないであげてちょうだい」
このままだとルイズとサイトの口喧嘩は延々と続く。アンリエッタはルイズを引き留めることで、二人の口論を中断させた。
「使い魔さん、ありがとう。あなたのように優しい殿方がルイズの使い魔で安心しました。でも、あなたもルイズとは決して無関係ではありません。あなたにこの任務を与えることはルイズにも迷惑をかけることになります。ですから…」
どうかルイズと共に、この任務に参加しようとは思わないでほしいと願ったアンリエッタだが、サイトはアンリエッタが続けようとしたところでその言葉を遮った。
「俺、行かなくちゃならない理由があるんです」
「え?」
「俺は、地球と言う星からルイズに召喚された…いわゆる異星人です」
異星人と言う単語に、アンリエッタはキョトンとして首を傾げた。だがサイトの言葉を全く理解していないわけじゃない。
「異星、人…?その言い方だと、他の星には人がいて、あなたがその一つの星から来たように聞こえますが…」
このハルケギニアに宇宙と言う概念は地球ほど発展していない。もしかしたらかのプトレマイオスが提唱していた天動説がそうだったように、この星が世=宇宙の中心ですべての星々はその周りを周っているなんて思っているかもしれない。まさか他の星に知的生命体がいるなどは考えてもいないようだから、すぐに信じることはできなかった。
それでもサイトは、自分の抱く思いを告げた。
「その通りです。俺の星、地球はこの世界と同様、怪獣や侵略目的で侵攻してきた宇宙人たちの脅威に晒され続けてきたんです。その度に、ウルトラマンが俺たちを助けてくれました。もしかしたら、この星にも怪獣だけじゃなく星人の脅威がこの先迫ることになるかもしれない、もしかしたらすでにこの世界に及び始めて
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