魔人‐ファウスト‐part2/死を運ぶ魔人
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「ファウスト…!!?」
なんだ。この…黒いウルトラマンは!!?
サイトはファウストと名乗るこの、黒いウルトラマンに不気味なものを感じる。これまで悪のウルトラマンというものは、サイトが知る限り未確認だ。何せウルトラマンとは光の国からやってきた正義の使者だから当然だろう。かのハンターナイトツルギ=ウルトラマンヒカリも純粋な悪では決してない。地球の人に迷惑をかけたことがあるが、ある事情で間違いを起こしただけの身だ。
『ゼロ、こいつに見覚えは…?』
『知らねえ…こんな不気味なウルトラマンなんか見たことも聞いたこともねえぞ!!』
ゼロもこのファウストと言う脅威に戦慄していた。正直、見たら間違いなく一生忘れないままでいる自信があると思えるくらい、このファウストと言うウルトラマンらしき存在は強烈だった。
「さ、サイト!君はウルトラマンとやらに詳しかったんじゃないのか!?なんだこいつは!?」
ギーシュが酷く驚き、焦った様子でサイトに詰め寄る。モンモランシーも思わぬ襲撃者の変貌に、腰を抜かしていた。
「サイト…!!」
ルイズがかなり不安がってサイトにしがみつく。今まで以上にかなり強く握っている。
「大丈夫だ。俺が守ってやる」
彼女の頭を撫でながら、サイトは彼女に強く誓った。
「ちっ!」
シュウは軽く下打ちした。今はこいつに構ってる暇はないし、他の連中の身の安全も考えなくては。なんとか彼らを逃がしてから…。
「逃げても無駄だ。なぜなら私は、お前の影なのだからね」
シュウの心を先読みするかのように言い当てたファウストが、一歩シュウの前に歩いて言った。
「貴様が、俺の影だと?」
目を細めるシュウに、ファウストは暗くて低い、しかし女性と男性の声が入り混じった声で続ける。
(なんだ?こいつは何を言っているんだ?)
サイトは目を細めながら、ファウストの言葉に耳を傾けた。どうも、あの男の方が狙いのように見えるが、変に含みのある言い回しのせいではっきりとした目的が見えてこない。
「お前が光を手にしたことでお前の心の闇が浮き彫りになって形を成したもの、それが私なのさ」
強い光は、同時に強い影を生む。その法則は何となくシュウにも理解できた。目を閉じて、彼は自分の記憶を辿る。どれもこれも、色濃く残っているのは、
…思い出したくもない真っ黒な闇の立ち込めた記憶ばかりだった。
「確かに俺の心には、拭いされない影がある。だが、お前が俺の影であろうとなかろうと…」
そう言って彼は懐からエボルトラスターを取り出した。
「お前が俺の敵なら、倒すだけだ」
ついにエボルトラスターを引き抜き、彼は強い意思を持ってその声を轟かせた。
「え?お、おい!!」
突然の強敵としか思えない存在の出現に頭に血でも上ったのか?サイトは思わずシュ
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