暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
魔人‐ファウスト‐part2/死を運ぶ魔人
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、なんだかんだで助けてくれたけどさ)
 そんな彼の態度を見て、サイトはポツリと心の中で呟く。
『受け取るがいい。これが貴様らへの礼だ』
 水の精霊はその身を震わせると、その体から水滴が一つ飛び出す。モンモランシーは持ってきていた空の瓶にそれを入れた。ついに精霊の涙を手に入れたのである。
「そう言えば、水の精霊。秘宝を盗んだとか言ってたけど…いったいどういうことなんだ?」
『我が生を受けたその日から共に日を過ごしてきた秘宝を盗んだ者たちがいたのだ。奴らは我から秘宝を盗んだだけでなく、我を廃しようと邪悪な獣を残したのだ。我には手を付けられぬ怪物だった故、獣を外部に逃げぬように封じるのに手いっぱいで秘宝を取り戻すために世界中を水で浸すこともできなかった。我の手は水の存在せぬ場所には届かぬ』
 水の精霊は水の世界でしか存在できない。なるほど、とサイトは納得する。しかし、盗まれた大事なものを取り戻すために世界中を水浸しにしなければならないなんて気が遠くなる話だな…。
(ベムラーを封じるためと秘宝を取り戻すために、こいつは水かさを増やしていたってことか)
ゼロはサイトの耳を通して話を聞き、納得していた。
「水の精霊から秘宝を盗むなんて…確か、『アンドバリの指輪』ね」
「アンドバリの指輪?それは一体何だい?モンモランシー」
「水系統のマジックアイテムよ、それも伝説級のね。巷のマジックアイテムじゃ価値は天と地ほどの差もあるわ。確か偽りの命を死者に与えることも可能と聞いたことがあるの。
それを盗んだは誰?」
 死んだ人間に偽りの命?サイトはふと、地球にいた頃にプレイしたことのあるホラーゲームを思い出す。なんか倫理的によろしくない上にえげつないアイテムがあるんだな、と思った。
『一人はこう名乗っていた…「クロムウェル」。それしか聞けなかった』
 クロムウェル、その名前を聞いても彼らにはピンとこなかった。あまり名前の知られていない人物らしい。
「参ったわね」
モンモランシーが頭を悩ませるとギーシュがなぜ?と首を傾げてきた。
「どうしてだい?」
「もし私たちがこのまま帰っても、水の精霊は指輪を取り戻すために世界中に水害を及ぼしてしまうわ。そうなったら被害はこの湖に沈んだ村だけじゃ済まされないわね」
『だが、そこの黒髪の少年ならば我の頼みを聞いてくれるやもしれぬ』
「え!?」
ギーシュとモンモランシーが目を丸くして、サイトに一斉に注目した。
「お、俺…?」
サイトも、まさか急に指名を受けるとは思わず、自分を指さした。
『貴様は現代のガンダールヴ、そしてその背中の剣はガンダールヴの剣「デルフリンガー」なのだろう?』
「ガンダールヴ?」
 その単語にモンモランシーたちは何のことかわからず首を傾げた。ガンダールヴ、確かオスマン学院長が俺
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