暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
魔人‐ファウスト‐part2/死を運ぶ魔人
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わなければならない。
「貴族に対して不遜なインテリジェンス・ソードね。サイト、いつかちゃんと矯正してやって頂戴」
「保証はしかねるぞ?こいつ多分直す気ないから」
 デルフの喋り方にため息を漏らすモンモランシーだが、サイトは首を横に振った。と、彼はふと思ったことについて首を傾げだした。
「そういえば、精霊の涙っていうには、悲しい話とか聞かせたらいいのか?」
「馬鹿ね、涙っていうのは通称。正確には水の精霊の体の一部を分けてもらうのよ」
すると、ラグドリアン湖の水面が勢いよく吹き上がった。
「来たわ!」
 モンモランシーが目つきを変えて叫ぶ。これが水の精霊って奴か…サイトとギーシュ、そしてサイトの服の裾を掴んで後ろに隠れるルイズは、モンモランシーが水の精霊に呼びかけるのを見届ける。
「私は旧き盟約の一員の家系、モンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシ。カエルに着けた血を覚えてるかしら?もしわかるなら、私たちにわかるやり方で、返事をしてちょうだい!」
「おお、思い出したぜ。そっかそっか、あん時の精霊か…」
 背中に背負ってたデルフが鞘から飛び出して言った。面識があると言うのか。水しぶきは、だんだん裸体のモンモランシーのシルエットを映し出したような形となり、彼らに言葉を発した。
『覚えてる、単なる者よ。貴様の体に流れる血を我は覚えている。貴様に最後に会ってから、月が五十二回交差した』
「よかった。お願い、あなたの体の一部を分けて欲しいの」
 ここからが本番だ。水の精霊はプライドが高い。こちらの頼みを聞くにはまず、機嫌を決して損ねないようにしなければ。以前モンモランシーの父は水の精霊を瓶に運んで自宅に招いたとき、濡れるから床の上を歩くなと、水の精霊と盟約をかわした家系にあるまじき発言をしたことがあったせいで干拓に失敗したから、気をつけなくてはならない。
『いいだろう』
「いいの!?」
 意外に気前のいい返事をすぐにくれたことにモンモランシーは目を丸くする。
『そこにいる光の力を持つ者たちが、不届きにも我から秘宝を奪った者が残した獣を排除してくれた。その礼に報いたい』
 そこにいる…?サイトたちはふと横を見ると、そこには木に背中を預けたシュウがいた。さっきのファウストとの戦いでひどく傷ついているようだ。
「君はさっきウルトラマンに変身した…!」
「あなた、大丈夫なの!?」
 ギーシュとモンモランシーがシュウを見て驚く。水の精霊が礼をするなんて滅多にない。これは水の精霊との盟約をかわした家系の者としてシュウに感謝しなくてはならない。
「ありがとう。あなたのおかげで水の精霊が救われたわ」
「…すべきことをしただけだ」
シュウは目を合わせず、ただそう言った。
(なーんかスカした印象だな…ギーシュよりはマシだし
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