魔人‐ファウスト‐part2/死を運ぶ魔人
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ジュネッスブラッドは声を聴いて我に返り、自分の首根っこを掴むファウストの右腕を払い、今度は自分がその腕を掴んで、柔道選手も驚くほど勢いよくファウストを背負い投げた。
「ディアアアアアアアアアア!!!」
「グゥウオオオオ!!!?」
投げつけられたファウストは背中を打ち付ける。
…よし!
構えなおしたジュネッスブラッドは、ファウストに掴みかかった。対するファウストも同様に掴みかかる。ファウストがジュネッスブラッドの腕を払うと、彼の頭を狙って上段回し蹴りを仕掛けるが、ジュネッスブラッドはとっさに頭を伏せ、お返しにファウストの胸に蹴りを撃ちこむ。一度距離が空くと、ファウストはジュネッスブラッドに向けて拳を繰り出す。ジュネッスブラッドはその腕を受け流して逆にファウストの腕を捕まえると、ファウストの脇腹に膝蹴りし、腕の籠手の様なアームガードから生えた刃『エルボーカッター』でファウストの顔を切りつける。怯んだところでもう一撃…これまでにないほどの強烈なキックをお見舞いしてファウストを彼方へ吹っ飛ばした。
「オリャアアアアア!!!」「ゴオオオオアアアア!!」
遠く離れた場所へ落下したファウスト。
ベムラーにちょうど勝利したゼロはその戦いの行方を、見守った。手を出すことはできなかった。ファウストがよろよろと立った時には、すでにジュネッスブラッドは両腕に稲妻状のエネルギーをスパークさせていた。そして、L字型に両腕を構えると、豪烈な威力を誇る必殺光線を発射した。
〈オーバーレイ・シュトローム!!〉
「ヘア!!」
ファウストはとっさに、ジュネッスブラッドが使ったサークルシールドと同じ効果を持つ闇の盾〈ダークシールド〉を展開、光線を防ぐ。だが光線が撃ち終わったと同時にエネルギーが暴発し、闇の盾はかき消されたことでファウストはその衝撃で後方へ吹っ飛ぶ。
「グファ…!!」
ピコン、ピコン…。
倒れたファウストの黒く染まっていた胸のコアゲージが、ジュネッスブラッドと同様赤く点滅を始めていた。もうエネルギーが、彼女も残されていなかっただろう。この戦いはどちらもこれ以上戦うことはできなかった。
「おい、大丈夫か!?」
ゼロが、さすがに体力を切らしたジュネッスブラッドの下に駆け付け、彼の肩に触れる。今度はサイトの意思と言葉で、ゼロはジュネッスブラッドに謝った。
「悪い、俺がもっと早くこっちに来れば…」
「気にするな…」
しかし、深いダメージをエネルギー不足で既にバテバテにも拘らず、ファウストは満足げに、そして不気味に笑い声をあげていた。二人は、警戒してファウストを見る。
「今日はあくまで…君たちの力を試しに来ただけ…でも…それでこそ戦う意味があるよ………また、楽しませてくれよ…?」
ファウストは最後までくっくっと笑ったま
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