魔人‐ファウスト‐part2/死を運ぶ魔人
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ルトラゼロキック〉でベムラーを蹴り上げた。
「デアアアア!!!」
強烈な一撃を食らって地を転がるベムラー。ゼロはその間に飛び跳ね起きで立ち上がり、ベムラーといったん距離を置く。ベムラーも立ち上がったが、ゼロにウルトラゼロキックで蹴られた箇所を押さえながらもだえ苦しんでいる。ゼロはそこを、タックルで狙って攻撃、より一層必殺の蹴りで受けた傷の痛みをえぐらせる。続いてベムラーの尾を掴んで引っ張ると、ベムラーは殺気の仕返しと言わんばかりにゼロの胸に口から光線を鼻ってゼロを吹っ飛ばす。
『痛ってて…この野郎…!!』
立ち上がって鼻の頭を拭うゼロは、鎧で重みある体をなんとか飛び立たせてベムラーの背後に回り込り、ベムラーを持ち上げ、遥か空中へ飛ぶ。何百メートルまで持ち上げたところで、彼は地面に一気に勢いよく投げつけると、ベムラーは急速に地面へと落下した。
流石にベムラーも、かなりの高度から身動きできず地面に叩きつけられてはたまらなかったようだ。ならば、もう一撃食らわせて止めを刺してやる。
ゼロは再び足に…それも両方の足に炎を滾らせると、ベムラーに向かって急降下した。
〈ウルトラゼロキック!〉
「ドオオリャアアアアアアアアアアアア!!!!」
ベムラーも最期の悪あがきか、それとも一発逆転を狙ってか熱線を吐いてゼロを打ち落とそうとしたが、自慢の熱線もゼロの炎を纏った足に着弾した途端二方向に別れて弾かれてしまっている。それでも熱線を吐き続けたのだが、ゼロの渾身の蹴り技がついにベムラーの体にヒット、ベムラーは大きく吹っ飛び、爆散した。
「あいつは!?」
ベムラーに勝ったのはいいが、まだ憂いは残っている。ゼロは、自分と同じウルトラマン…ジュネッスブラッドとファウストが今どうしているのか確認しようと、彼らの方に視線を向けた。
―――俺は、ここで負けるのか?ここで…死ぬのか…?
ファウスト、TLTにいた頃噂では聞いていた黒い巨人。聞いたときには、とっくに倒されたはずの存在となっていた。なぜこいつが異世界に存在し、そして自分に戦いを挑んできたのかはわからない。それでも倒さなくてはならないのは確かなこと。
でも、自分は、まだ何も成し得ていない。この光が、どうして俺の身に宿ったのか、その意味をまだ欠片も理解していない。見つけることも、何もなすことができないまま、こいつの闇に飲み込まれてしまうのか…?
孤門、尾白、瑞生……憐……。
しかし、この時彼の脳裏に誰かの…少女の声が囁いてきた。
――――シュウ…
彼の胸に埋め込まれたY字型の宝珠『エナジーコア』の上から、ティファニアのコントラクトサーヴァントによって刻まれた使い魔のルーンが浮かび上がり、熱い闘気を表すかのように真っ赤に染まった光を輝かせた。
「!!」
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