魔人‐ファウスト‐part2/死を運ぶ魔人
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サイトの持つガンダールヴとは対照的な赤い輝きのルーン。こいつも、誰かの使い魔として召喚されたというのか?そう考えたら、彼が地球人でありながらこの世界にいる理由にも納得がいく。
「………そろそろ戻らせてもらう」
テファの存在を世に知らせるきっかけになるような話をするわけにはいかない。何せ彼女はエルフの血を引くハーフエルフだ。このサイトとかいう奴はとにかく他の、こいつと同行してきた貴族連中が見逃してくれるとは思い難い。だからシュウは何も答えようとしなかった。そのままサイトたちから目を反らし、反対側へ歩き出した。
「待ってくれよ。名前くらい!!」
名前を教えてほしいと言ったサイトに、シュウは立ち止まって背を向けたまま答えた。
「…黒崎修だ。よく『シュウ』と呼ばれている。以上」
以上って、それだけ!?言うことそれだけ!?
「まだ待てって!お前のウルトラマンとしての名前をまだ聞いてないぞ!」
「ウルトラマンとしての…名前?」
シュウはサイトの方をようやく振り向いたが、バッサリ一言こう答えた。
「そんなものないな」
「ないの!?」
これは意外だった。ウルトラマンに名前が付くのは今となっては結構な常識になりつつあったのだが。もっとも、初代ウルトラマンも他のウルトラ戦士と違い個別の名前を聞かないし、あまり勝手に名づけるのも本人に対して申し訳ないから未だに種族名の『ウルトラマン』としか呼ばれていないのだが。実際、シュウが変身したウルトラマンは、M78世界で言うウルトラマンたち固有の名前を持っていない。
「はっは!ならば感謝の気持ちを込め、このギーシュ・ド・グラモンの名前を君のウルトラマンとしての名前に」
「「却下!!」」
すると、空気を読まずギーシュが自分が名付け親になろうと名乗り出たが、サイトとモンモランシーから断固として拒否された。
「お前なんかの名前を冠にしたらあいつ二度と他人のために戦ってくれないだろうが」
「そ、…そこまで言う……」
ショックを受けたギーシュは、サイトたちの後ろでどんよりと体育座りをし始める。だが彼以外はいじけるギーシュを完全に無視した。
「もういい、俺が名付けてやる。この先どう呼べばいいのか困るだろうし」
「おい、俺を置いて話を進めるな」
いきなり名前を付けられることに戸惑うシュウだが、サイトは腕を組んで思考を巡らせる。変な名前を付けられる前に、彼に相応しい名前を考えてやらなくては。少し間を置くと、サイトは「決めた!」と声を上げた。
「お前のウルトラマンとしての名前は…『ウルトラマンネクサス』!」
「ウルトラマン…『ネクサス』…?」
「ネクサスっていうのは、英語で『絆』って意味だ。いやー地球で学校に通ってた時、偶然授業で使ってた英和辞典でちらっと見たくらいだけど、ウルトラマンの名前とし
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