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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
召喚者-ティファニア-part3/銀色の巨人
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かもを忘れるくらい、ウルトラマンの戦いに魅入られていた。メタ・フィールドが消えても、少しの間その場に呆然と立っていたが、戦いが始まる直前までいたはずのシュウがいないことに気づく。
 早く探さなくては。そう思った矢先だった。
「ぐぅう…」
 まずい。シュウによって意識を手放していた盗賊たちが目を覚まし始めた。親玉がいなくなったとしても、シュウがいない今独断で自分をもう一度誘拐する可能性は否定できない。だが、まだ意識がはっきりしていない今ならチャンス。彼女は隠し持っていた杖を取り出した。

ナウシド・イサ・エイワーズ・ハガラズ・ユル・ベオグ……

 杖の先に魔力が帯びられた影響からか、バチバチと一瞬だけ静電気が走る。
 
ニード・イス・アルジーズ……

「う…アニキは…?は!この女…!」
 起き上がった盗賊の一人は、彼女の姿を見るや否や、言葉も放たず襲い掛かろうと近づく。

 ベルカナ・マン・ラグー!!

 テファが、楽団の前で指揮棒を振うコンダクターのごとき自信に満ちた態度で杖を振り遅す。それは風のようにその一帯を包み込んだ。風が止むと、テファを襲おうとしたその男は、人が変わったように呆然と夜空を見上げていた。
「あれ…ここはどこだ?なんで俺たち、こんなところにいるんだ?」
 他の盗賊たちも起き出したが、さっきとは打って変わってさっきも下卑た笑みの欠片も見せなかった。明らかに様子が一変している。ティファニアは盗賊たちに、落ち着き払った声で教えた。
「あなたたちは森に偵察に来て、迷ったのよ」
「そ、そうか?」
「隊はあっちよ。森を抜けると街道に出るから、北にまっすぐ行って。夜道に気を付けてね」
「お、おう…すまねえな」
 盗賊たちはたどたどしげにテファに礼を言うと、商品にするはずだった彼女を置いて森から歩き去って行った。
 すると、そこへシュウがようやく走って戻ってきた。
「無事か?」
 さっきも聞いた言葉。戻ってきた彼に対してテファも目を丸くした。
「シュウ、あなたこそ…!」
 怪我と言えるものが何も見当たらない。あんな悍ましい怪物を何体も相手にしていたと言うのに。
「怪我は?どこか怪我してないの?」
「問題ない。ほんのちょっとやけどした程度だ」
「だったら早く治療しないと」
「俺はいい。村の治療道具は子供たちに使え。あの子たちにも怪我をした奴がいたはずだ」
 その怪我をした奴…おそらくサムたちだ。シュウは自分よりもその子たちの方が盗賊たちにひどい怪我を負わされたこと、そしてこの村には金は多くないため薬や包帯と言った医療道具が少ないからそちらを優先するべきと進言した。
「でも…」
「いいから。それより…さっきのは、お前の魔法か?」
「あ、見てたのね…」
 シュウはここに戻る直前、テファが
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