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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
召喚者-ティファニア-part3/銀色の巨人
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物たちの、まるで内蔵を乱雑にくっつけていったような、赤くぶよぶよとした気色悪い外見に、さすがのテファも女子としての生理的嫌悪感を隠せなかった。
「ビースト…!?なぜこいつらが…!」
「え?」
 知っているのか?とテファが驚くと、ふと彼が自分の故郷のことについて話したことを思い出す。彼は確かスペースビーストと呼ばれる怪物と戦う仕事をしていたと言っていた。まさか、このナメクジの化け物が?
「ぎゃあああああ!!」
 触手にとらえられた盗賊の親玉は、そのまま口を開けた怪物の口の中へ放り込まれた。あまりにも残酷な光景にテファは口を押えると、とっさにシュウが彼女の目を覆う。こんな光景をテファに見せるにはきつすぎたと思ったようだ。
 自分たちを取り囲む体長約5mほどのビースト『ブロブタイプビースト・ペドレオン(クライン)』の群れ。見るからに自分たちを食らう気満々の様子だ。
「俺が隙を作る。ティファニア、その間にお前は先に村へ帰れ」
「一人で戦う気!?無茶だよ!」
 しかし、テファは一人で帰ることを躊躇っていた。たった一人でこんな恐ろしい怪物と戦うというのか?そんなのは無謀すぎるとしか思えなかった。しかし、シュウは戦うことに迷いを見せなかった。
「俺はナイトレイダーだ。人を襲う獣を倒し、人を守ることが仕事だ。だからこの手の奴らと戦うことには慣れているつもりだ」
「でも…!」
「行け!!!」
 そう怒鳴った時のシュウの顔は、いつものクールなポーカーフェイスではなくなっていた。必死の思い、それが彼の表情に表れていたのだ。いつも冷静というか、冷淡な彼がここまで感情を表に出す人だと思わなかった。
 いや、彼の言う通りここは村に戻った方がいい。
 ちょうど今、彼がいつの間にか手に取っていた白い銃から発射された波動弾が、村の方角に待ち構えていた一体の怪物を破壊した。
 テファは走り出した。今消滅したペドレオンが塞いでいた、子供たちの待つウエストウッド村への道を。
 しかし、元来からの性格からか、彼女はシュウを見捨てることができずそこで立ち止まった。振り返ると、シュウは銃を片手にたった一人でペドレオンと戦っていた。ただでさえ人間を超えた人外が相手。それも複数だ。とても一人だけで敵うとは思えない。魔法を使えたらまだわからなかったが…。
 シュウはしばらくの抵抗の後、自らテファとは反対側の森の奥へと姿を消した。どこへ行くのだ。そちら側は村の反対側じゃないか。
「シュウ!」
 テファは、何が何でも彼を放っておくことはできなかった。たとえ彼の言っていたことを無視したことを指摘され叱り飛ばされることになっても、彼を助けに行きたいと言う想いが強かった。
 と、その時だった。
 シュウが姿を消した森の奥の方から、夜の闇をも切り裂く紅い光の柱が立ち上り、一体の
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