召喚者-ティファニア-part3/銀色の巨人
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ァを見て尋ねるシュウ。
「シュウ、どうして…」
逆にテファはシュウになぜと問いかけてくる。
「村の子供たちが、お前が盗賊にさらわれたと聞いてな、村にエマを置いて行ってすぐにここに来た」
「ここはもう村から遠く離れているのに…」
「よくわからないが見えたんだ。お前がここのケダモノたちに襲われている様が」
それって…。ふとテファはマチルダから使い魔についての説明を聞いたときのことを思い出す。確か彼女の話によると、使い魔は主人と目となり耳となって力となるなんてことを言っていた。もしや、自分の危機が彼の目か脳裏に浮かび、彼をここへ導いたと言うのか。でも…。
「なんで、私を…助けに来たの?」
自分が彼を故郷からここへ無理やり呼び出した、悪い言い方をすれば誘拐犯だ。この男たちと、その点については変わらない。加えてエルフの血も引いている。だから自分を助ける義理など彼にはないはずだ。
その問いに対してシュウは淡々としながらもこう答えてきた。
「人命救助にいちいち理由はいらない。お前が何者であっても変わらない」
「私が、エルフであっても?」
「言っただろ。俺はお前がエルフかどうかなんてどうでもいい。まして母や姉替わりとして子供たちを支えるお前は、
優しい人間だ。
だったら、幸せに生きるべきだ」
「…!」
それを言われてテファは衝撃を受けた。
まさか、そんなことまで言われるなんて思いもしなかった。
この村を偶然訪れた者は、大概自分がエルフだと知った途端に恐怖の視線を向けてきた。かつて、自分がこの村に追いやられた時だって、幼いころから知己だったマチルダや共に暮らしてきた村の子供たちはともかく、この国の兵士たちは自分を怪物か何かを見る目で見て、命すら奪わんとしていたのに。
それを、知り合ってほんの数日程度しか経っていないはずの同年代の男が、はっきりと自分の存在を肯定してくれた。
それが何にも勝るくらいに…嬉しかった。
すると、後ろで倒れていたはずの盗賊の親玉がむくっと体を起こすと、杖をシュウとテファに向けていた。
「このガキ…よくも俺たちの邪魔をしてくれたな…」
まだ二人は互いの会話に夢中になっているはず。今のうちに不意打ちで一気にぶっ殺してやろうと、彼は杖を振り下ろそうとした。と、その時だった。
「う、うわああああああああ!!!!」
その男は突如、どこからか伸びてきた触手に体をからみつかされ、引きずられていく。
「ピィイイイイイ!!!」
同時に、聞いたこともない生き物の泣き声らしき音も聞こえてくる。その音の先には、見るだけでも不快にさせるほどの奇怪な姿をしたナメクジの化け物がそこにいたのだ。それも一体…二体…合計で5体もいる。
「ひぃ…!な、なにこの生き物…」
ナメクジの怪
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