召喚者-ティファニア-part3/銀色の巨人
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いたことがある。それもごく最近の時期に。音がどんどん大きくなって…違う!近づいてきているのだ。
「ち、るっせんだよ!!ブンブンブンよう!!!」
「いい加減にしねえと俺たち『灼塵』の…ふぐ!!?」
あまりの耳障りな男に苛立った盗賊たちだが、ドスッ!っと音が響くと、一番背後の男が急に倒れだした。
「お、おい!どうしt…ぁ…」
続いてもう一人の男も倒れる。盗賊たちは直ちにテファから手を放して馬車から降りる。
「ちっ、誰だ!?人様の至福のひと時を邪魔しやがった野暮天は!」
盗賊の親玉が猛獣の雄叫びのように怒鳴り散らす。が、その男は突如目の前に現れた影に腹を殴られた後、手刀を首筋裏に受けて昏倒した。
「なんだてめえは!!」
自分たちの親玉さえも倒され、混乱する盗賊たち。暗くなってはいたが、テファにははっきりと見えていた。
助けに来てくれたのは、まぎれもなくシュウだったのだ。後ろには彼のバイクが転がっている。バイクに乗って急いでここまで駆けつけてくれたのだ。
「……」
盗賊たちからの質問に、シュウは何も答えない。盗賊の一人が、シュウをナイフで刺し殺そうとしたが、その途端シュウは身を翻して避けると、腕に装備していたアイテム…パルスブレイカーを盗賊に押し当てる。すると、ほとばしる電撃が走り出し、盗賊は悲鳴を上げ、その場に倒れて気絶。その体は気絶してなお震え続けていた。
「あばばばばばばば!!!!!?」
「な、なんだこいつ!?メイジか!?いや…まさかこいつもエルフ!?」
彼らはシュウのことを、ただの変わった格好をした平民だと思っていた。しかし、パルスブレイカーを使って電撃を起こし、今彼を襲った盗賊を見て、魔法を使ったのかと勘違いを引き起こしていた。
パルスブレイカーは、仲間同士で連絡を取り合うためだけの道具ではない。いざと言うときは麻酔弾やビームガンの効果を持つ銃器やスタンガンにもなる強力な兵装でもあった。
「この野郎!」
最後に残った盗賊が、シュウに弓矢を放とうとした。奴が背後を取っている今なら脳天を貫ける、そう思っていた矢先、彼の持っていた弓矢は放たれることなく宙を舞った。シュウが鋭い蹴り上げで男の腕を蹴りつけたのだ。武器を失ったその盗賊になすすべはもう残っていなかった。直後に顔面に向けてシュウのパンチが炸裂、続けてシュ!!と鋭い音を立てた回し蹴りが盗賊のこめかみにクリーンヒットし、蹴られた盗賊は気絶した。
盗賊たちにはきっとメイジもいた。だが、魔法を使わせる隙も与えずに全滅させたシュウを、すごいとテファははっきりと思った。感動さえもしていた。そして、彼が助けに来てくれたことを、とても嬉しく思った。
シュウがテファの元に駆け寄り、盗賊が持っていたナイフでテファを縛る縄を切った。
「無事か?」
まっすぐテフ
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