暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
召喚者-ティファニア-part3/銀色の巨人
[13/18]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
もう一人のあいつは…光を掴みとろうとした奴って…?」
 どこかで見たことがあるような…?とサイトは記憶をたどってみたが、思い当たるものがありそうでない。まあ夢なんかで深く考えても仕方ないか…。再び彼は湯船に身を沈めた。
『…』
 さっきのサイトが、自分が見た夢のことでぼやいていたのを、ゼロは聞き逃さなかった。

 実をいうと、あの夢の中で連行された若いウルトラマンとは…彼自身のことだったのである。あの光を掴むこと、それがウルトラマンの法律に触れてしまうほどのことだった。ではなぜゼロはその光を、法を逸脱することと知っても手にしようとしたのか。ゼロは当時のことを思い出したがっていないためか、夢として自分の過去を見たサイトには何も言わないままでいた。
 ちょうどそこに、お盆とそれに乗せたカップを持って、その辺りを通ってきたシエスタが現れた。
「あれ…なにかしら?」
 周りを囲った布の壁の向こうから湯気が出ている。気になったシエスタはその布の向こうにある布の壁に近づく。その向こうには、マルトーが捨てるはずだったと聞いていた鉄鍋いっぱいにお湯が溜っていたのだ。覗き込もうとすると、息を止めきれなかったサイトが湯の中から出てきた。
「きゃ、ってサイトさん!?」
 彼女は思わずお盆をひっくり返してしまい、メイド服を紅茶で濡らしてしまった。
「シエスタ!?ああこれはその…」
 まさかシエスタが…女の子がここを通ると思っていなかったサイトは股間を隠して湯船に潜って縮こまる。
「あの…ごめんね。びっくりさせちゃって。服濡れたみたいだし…」
 彼は縮こまった状態で赤面しシエスタから顔を反らし続ける。
「い、いえいいんです!そ、そこで何をなさってたのですか?」
 気にしないでくれと言ったシエスタは、サイトにここで何をしていたかを尋ねる。
「ああ、俺の国の風呂。ここの平民の風呂って蒸し風呂だから、やっぱ俺はこうでないと」
「これがお風呂…ですか」
不思議そうに彼女は風呂を眺める。
「いいなあ…。私も入りたいです」
「じゃあ一緒に…なんて」
 サイトはほんの冗談のつもりだった。が…予想だにしない事態が起こってしまった。
「いいんですか!?」
 なんとシエスタがいきなり服を脱いで風呂に入り出した。
「ああああのシエスタさん!?俺一応男なんですけど…」
「サイトさんはそういうことしないってわかってますから。はあ〜気持ちいいです」
 服を脱ぎ湯船につかる彼女の方をサイトは振り向けなかった。振り向いたら、きっと辛うじて保っている理性が崩壊しかねない。
『サイト〜』
ふと、ゼロの声が頭の中に聞こえてきた。
『な〜に女をはしたない格好で誘ってんだよ。いけないんだ〜』
 こいつ…!!サイトはもしここにゼロが自分と分離した状態で立っていたら今
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ