召喚者-ティファニア-part2/もう一人の地球人
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いる以上その理由を知り、解決する必要もあると思った。
「えっと…できれば、子供たちとも仲良くしてほしいんだけど…」
「………」
黙り込むシュウ。やはり不愉快にさせてしまったか!?不安に思ったが、何とか踏みとどまる。
「あの…やっぱり、私が怖い?」
「………?」
なぜと言わんばかりに彼は首を傾げてきた。怖いわけじゃないのか?
「だって、私ハーフエルフだし、エルフってハルケギニアの人たちから怖がられてるから…だから…」
「お前がエルフとやらだから、俺が恐れていると?」
「え、ええ…」
「そんなことに興味はない」
きついものの言い方だったが、これはこれで意外な答えが返ってきた。シュウはテファがエルフであると言うことに疑問を抱こうともしていなかったのである。
「話は終わりか?まだ薪割りは終わっていない」
「ご、ごめんなさい…邪魔しちゃって」
「気にしていない」
結局会話はそこで途切れてしまった。少なくともエルフを怖がっていないことは嬉しいし理解できたが、彼と馴染めた感じが全くない。テファはかえって困ってしまうことになった。
さっきも挙げたが、シュウは子供たちとはテファ以上に馴染めない傾向にあった。性格上、子供と触れ合うことが嫌なのかもしれないが、テファと同様彼らとも同じ屋根…もとい村で暮らすことになったのだから打ち解けた方がいいのだが…。
ある朝の朝食前のことだった。この村の朝は結構早いが、シュウは難なく起きていた。子供たちは眠そうに目をこすっている子や、そんなことたちに「起きろ」と年上らしく言ってくれる子もいる。パンの香ばしい匂いが漂う厨房で、テファはすでに調理に当たっていた。
「あ、…早かった、ね。えっと…おはよう」
ふと後ろを振り返り、子供たちだけでなくシュウも起きていたことを知ったテファはぎこちなく朝の挨拶をする。すると、まだ6・7歳程度の幼い少女がシュウの姿を見るとテファの陰に隠れるようにすり寄った。
「お姉ちゃん…」
「えっと…シュウ。この子はエマって言うの。ほら、あいさつ」
「…えっと…エマ…です」
少しでも仲良くしてほしいと願うテファはエマと呼んだその少女に自己紹介を促す。シュウへの恐怖と、そして恥ずかしがりな性格があって声が小さい。
「……」
シュウはよく聞き取れなかったのか無反応。エマは限界に来たのか再びテファの後ろに隠れた。
元気のいい男の子が「テファ姉ちゃんおはよう!」とちゃんと朝の挨拶をする。すると、今度はマチルダも起きてシュウたちのいる居間にやってきた。
「おう、テファ。今日の朝飯もうまそうだね」
「もうすぐできるからね。先に座ってて待ってて」
テファが皆にそう言うと、子供たちとマチルダは庭のテーブルの席に座ってテファの手料理を待つ。シュウも後に続いて適当に空いて
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