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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
召喚者-ティファニア-part2/もう一人の地球人
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のことだよ。そいつ一人につき、一体の使い魔と相場が決まっているのさ。だが、もし使い魔が死ぬようなことがあれば、メイジは使い魔を再度召喚することができるんだよ。もっとも、その逆はないけどね」
「…では、さっきの口づけでつけられたこの胸のしるしは一生残るのか。そして俺は…二度と地球へ帰れないと?」
 シュウはふと、自分の胸に刻まれた使い魔のルーンを見る。撫でるように消してみようとしても、こすっても全然消える気配がない。ただの刺青でもない。本当に魔法なのだと、彼はこのとき実感したのかもしれない。
「…ごめんなさい。本当に、私なんて謝ったらいいのか…」
 テファは申し訳ない気持ちでいっぱいになり、澄んだ海のように蒼い瞳がうっすらと涙で滲み歪んでいく。
「ああ!テファ姉ちゃんを泣かしたな!」
 少年の一人が指を指してきた。
「いけないんだ!!いけないんだ!!」
「皆止めて!全部私が悪いんだから」
 ここでテファが、暴走しがちな子供たちに、子供を叱る母親のようにぴしゃりとしかりつけると、子供たちは渋々ながらも手を引いた。
「本当に、勝手にこんな場所に呼び出してごめんなさい。でも安心して。これから毎日ご飯だって用意するし、寝る場所もキチンと確保するわ」
「……」
 彼はテファたちから視線を外し、腕を組んで考え込む。やはり、こんな自分の使い魔になんかなってくれるはずもない。きっとここから出ていくのだろう。自分にそれを引き留める権利はない。テファはきっと青年が自分を故郷から無理やり引き離したことを恨んでいるだろうと思い、気を落としていく。
「……………わかった。ここで暮らす」
 少しの間の沈黙を経て、シュウはそう言った。
「え!?」
 意外な返答だった。テファは驚いてシュウを再び見る。使い魔をやってくれると言うのか?
「どうせ俺は帰れないのだろう?そしてあんたは俺にここで暮らせと言っている。なら、俺の寝床へ案内してくれ。村から追い出すタイミングもそっちの好きにしてくれ」
「お、追い出すなんて!そんなことしません!」
二 人の会話を聞いていたマチルダも、意外だと思っていた。あれだけ反抗的というか、こちらを鋭い目でにらんできた相手がこうもあっさり引き受けてくれるとは。でも、これでひとまず安心と言ったところ。こいつは戦うことを仕事としていたと言う話が本当なら、テファや子供たちの護衛も勤まるはず。しかし、まだ彼のことを知り尽くしたわけじゃない。まだ信頼できるに値すると決めるのは早計だ。子供たちも、シュウに対する警戒を抱いたまま、隠れながら彼を見る子や敵意を向ける子もいる。逆に厄介ごとを増やしただけにならなければいいが…。
「あんたはそれでいいのかい?あんたにだって家族いるんだろ?」
 父や母、兄弟。そういった帰りを待っている家族がいるのでは?
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