召喚者-ティファニア-part2/もう一人の地球人
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ずの月が二つある。信じるしかない」
やはりこの男。子供でも知っているはずなのに月が二つあることも知らなかったようだ。何かがおかしい。妙なアイテムを持っているし、何者なのだろうか?シュウは再び小屋の中に戻り、自分の席に座る。
目の前の青年が、月が二つあることも魔法があることも知らない、それについて奇妙に思うウエストウッド村の住人達。マチルダが率先し新たな質問をし、シュウはそれに答えていく。
二ホンとは彼が住んでいた国の名前で、トーキョーはその首都だという。そもそも彼のいた世界はハルケギニアなんて名前ではなく、チキュウという名前で、生まれはアメリカという名前の国だとも語った。子供たちやテファはもちろんだが、マチルダでも知らない地名だった。
「マチルダ姉さんでも知らないんだ…」
マチルダは各地を回った経験があるから、かなりの土地勘があるとテファも知っている。そんな彼女でさえも知らない場所だという。
「じゃあ、仕事は何を?」
「…ナイトレイダー」
テファからの質問に、またわからない単語で返してきた。簡潔にまとめると、彼は軍属関係の仕事についていて、それも直接戦場に出て戦うことを生業としていたと語った。その組織名が『ティルト』と呼ばれる、つい最近までは存在を隠していた元極秘の組織で、現在はその存在が世間に公表されたことも話した。月が二つあることを知ったためか、彼はマチルダとテファも、子供たちもそのことを知らなかったことについて、もう驚くことはなかった。
「あんたの国も戦争しているんだね。相手は化け物みたいだけど」
このアルビオンも、最近レコンキスタとかいうはた迷惑な反乱軍が起こっていることをマチルダは知っている。どこの国でも人間同士、それも国のお偉いさんの勝手な都合で、今この村にいる子供たちのような、つらい経験に巻き込まれる子もきっといるだろうと思うとやるせなかった。
そして彼がティルトという組織のことを、そして彼の所属するナイトレイダーというグループのことを語る以上、『ウルトラマン』と呼ばれる巨人と『スペースビースト』のことは決して避けられなかった。
「でも、やはり聞いたことないねえ…その、銀色の巨人と一緒にあんたのような軍人が、デカい化け物が戦うなんて話、普通なら世間に知れ渡ってるはずなのにね」
そもそも、にわかに信じられないことだ。シュウの語ることすべてのなかで、特にウルトラマンという巨人がらみの話については。
「やはり、知らないのか…月が二つという時点で、知っていたら逆におかしいとは思っていたが。ところで、俺は帰れるのか?」
それを聞いて、ティファニアは本当に申し訳なさそうに頭を垂れる。
「ごめんなさい。それは、無理なの……」
「何?」
「召喚の儀を行えるのは一人のメイジ…ああメイジってのはね、魔法を使う奴
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