召喚者-ティファニア-part2/もう一人の地球人
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この男の服装もそうだが、あんな銃はハルケギニアでは絶対に見ないモノだ。
「…次の質問をする。俺はどうしてここにいる?」
今度はこの村にいる訳をシュウは尋ねてきた。どうしようか。まだこの男は自分たちを疑っているように見える。
「えっと…こいつは真面目に言ってるんだから聞いとくれよ。そいつは、テファがあんたを、使い魔としてサモン・サーヴァントって魔法で召喚したからさ。この村の生活の手伝いをしてほしくてね」
「…使い魔?…それに魔法だと?」
お?何か反応がある、と思ったらシュウはこう吐き捨ててきた。
「そんな非科学的なものがあるというのか?」
「ヒガガク…的?」
意味が分からない言葉を使ってきたが、どうもまだ信用していないらしい。
「えっと…マチルダ姉さんは優秀なメイジなんです。私に使い魔召喚の魔法を教えて、早速使ってみたんです。そうしたら…あなたが現れて…」
テファも説明を入れてみるが、やはりシュウは納得しているように見えない。というか、どうも彼は魔法というものを信用していないように見受けられる。さっき、まるで魔法そのものを知らないような言い方をしていたのだ。何かあるのだろうか。
「あんた、魔法を知らないのか?」
「魔法なんて、空想の産物でしかないはずだ」
試しに訊いてみたのだが、まさか本当に魔法を知らない…というか、現実にはないものと彼は言いきった。なぜだ?マチルダは疑問ばかり浮かぶ。ハルケギニアにも遠い地にも魔法という存在は誰でも知っていることのはずなのに、一体どこから来たんだ?それとも単に世間知らずなだけなのか。
と、ここでシュウは左手首のアイテムに目を向け、席を立ちあがると、それをピッピッと指先で押し始めた。
「あの…何か…?」
やはり自分たちに対して怒っているのか?テファは怯えながらもシュウに問う。が、シュウは聞いていなかった。
「お、おい!勝手に出ていくなよ!まだ話は終わってないんだから!」
マチルダは、シュウが付き合ってられないとばかりにここを出て行こうとしていると疑ったが、シュウは小屋から庭に出たところで立ち止まった。この時のシュウは最初にこうするべきだったな、と心の中でぼやいていた。小屋の入り口に出たところで彼は何かを呟き始めた。
「こちら黒崎。隊長、聞こえますか?」
しかし、アイテムからはザザザ…と奇妙な音しか聞こえてこなかった。テファたちは読めなかったが、漢字で『圏外』と画面に表示されていた。それからシュウはため息交じりに頭上の夜空を見上げると、一瞬だけ動きが止まった。
「月が…二つ…?」
マチルダとテファは、そして子供たちは確かにそう聞いた。月が二つあることも知らないのか?すると、
「…嘘は言っていないようだな」
「やっと信じてくれる気になったのかい?」
「一つだけのは
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