召喚者-ティファニア-part2/もう一人の地球人
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いた席に座った。
「マチルダ姉ちゃん、なんでこいつまでいるんだよ!」
すると、一人の栗色の髪の少年が、シュウがいることに納得できないと抗議してきた。
「ジャック、そういうもんじゃないよ。この子はあたしのせいでここにいるようなもんだからさ。こいつが悪いみたいな言い方はよしな」
なだめようとそう言ったマチルダだが、そのジャックという少年だけじゃない。テファの次の年長者の少年…この子供たちのリーダーといえる、12・3歳ほどの橙色の髪の少年も同意見だった。
「いくらテファ姉ちゃんが召喚したからって…こいつが来てからこの村の空気が重くなってる。反省もしてないし、いっそ村から…」
「はいはいサム。滅多なことは言わないの」
これ以上言ったらいくらシュウでも不快に思うだろう、マチルダはそう思ってそれ以上言わないように注意し、サムは渋々ながらも黙った。
テファが朝の料理を持ってきたところで早速朝食となった。しかし、シュウというイレギュラーな存在が影響して、空気はあまり軽いものではなかった。飯を食っている中、二名の男の子たちはシュウを睨み、女の子たちと残りの気弱そうな男の子はシュウを怖がっていた。そんな子供たちの態度に、シュウは全く意に返すそぶりも見せなかった。ただ黙々とテファの作ったパンをむさぼっていた。
食後に、まだ子供たちの名前を聞いていなかったようなので自己紹介をテファからの勧めで行われた。サムとジャック、次に赤い髪で男の子の中で一番幼い少年がジム、亜麻色の髪の女の子がサマンサといった。エマも改めて自己紹介してくれた
マチルダはあちゃ…と額に手を当てていた。一応あの二人は主人と使い魔という関係にある。使い魔はメイジとは深い絆で結ばれているのが当たり前。でも、あの二人に絆と言えるものがあるだろうか?なんだか先が思いやられる思いで彼女は、食器を片づけるシュウに近づいて一言物申すことにした。
「あのさ、シュウ」
「…なんだ?」
「あの子は血縁上あまり友達を作れないし、そのくせ人見知りが激しい箱入りんだよ。それにここの子供たちは、戦争とか盗賊で家族を亡くしちゃったから辛い経験もしてきて、あまり知らない奴に心を開きにくくてね。だからこそ、気軽に話をするくらいの仲にはなってくれたら助かるんだけどね…」
「…………考えておこう」
ただ無表情にそう言い返したシュウ。初めて会ってから一度も彼は笑みを見せるどころか表情一つ変えない。まるで仮面のようなポーカーフェイスをぶっ通し続けていた。考えておこうじゃなくて、わかりましたって言ってくれよ…とついぼやいてしまったマチルダだった。
時を戻して現在。
「結局、あいつが無愛想で何を考えているかよくわからないってことだねぇ…」
元軍人+無愛想+無関心+クールな奴。振り返っても色々
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