盗賊-フーケ-part3/二大戦士、異世界に降臨す
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にも言えたこと。だが、サイトとゼロそれぞれの故郷から一体この星がどの位置にあるのか見当もついていないのだ。
とはいえ、地球と同様狙われつつあるこの星を、唯一侵略者や怪獣を知る自分が無視するべきかと思うと、Yesなんて言えはしない。だから帰る時の導だけでも知りたかったのだ。
しかし、ゼロは言った。
『帰れねえよ…俺は。帰りたくても帰れねえんだ』
「え?」
「はぁ〜いダーリン」
それはどういう意味だと尋ねようとすると、ここでもったいぶらせるかのようにキュルケがサイトの元にやってきたのだ。彼女は胸元の開いた、それでいて上品なドレスで着飾っている。本人いわく、特注で作らせたドレスだそうだ。彼女は18歳とサイトより一つの年齢だというのに、年上の綺麗な貴婦人のようだ。
「もう、折角のパーティなのにそんな顔してたらダメよ。ほら他の皆だって楽しんでるじゃない」
キュルケが指し示す方向を見ると、タバサは黒いドレスに身を包み、頭にはティアラを付けている。右手にフォークを、左手に皿を持って。何かをもぐもぐ食べているところから、舞踏会というのに、寧ろご飯が目的のように見える。
「私が無理やりおしゃれさせたのよ。かわいいでしょ?」
確 かに、タバサも素材は立派で、小柄な知的メガネ美少女と言った印象がある。ドレスにを包むとそれ以外に気品も出て似合っている。が、そんな上品な姿と裏腹にあの小柄な体のどこにそんなに入るんだという大量の料理と格闘中。今はハシバミ草のサラダに食らいついている。ハシバミ草はサイトも厨房でシエスタにふるまってもらった時に試食したことがあったが、事前にシエスタが「とっても苦いですから気を付けてください」と忠告を入れていた。彼女の言っていた通り、地球でも味わったことのないほどの苦みがサイトを襲った。そんなハシバミ草をあんなに目をきらめかせてまで見ているこっちが腹いっぱいになるほど食すタバサにある種の恐ろしささえ覚える。
紫のラメ入りのタキシードを纏っていたギーシュも、得意の口説き文句で女子生徒たちからの人気を取り戻し始め、ダンスを申し込まれて良くも悪くも調子よしのようだ。それを見ていたモンモランシーが不満そうな顔をしているのも見えた。
「そういうわけで、ダーリン踊りましょ♪」
「いや、俺は……」
そんな気分じゃないとサイトが渋っていると、大勢の男子達が寄ってきた。
「キュルケ、今夜も綺麗だよ!!」
「あらん、ありがと」
キュルケは男子生徒たちから褒められ、ダンスを申し込まれるや否やそっちの方へ移って行った。元々乗り気じゃなかったからちょうどいい。ルイズの部屋で先に寝ようと、ホールを後にしようとしたときである。
「ヴァリエール公爵が息女。ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール嬢のおな〜〜り〜!!!」
ホ
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