盗賊-フーケ-part3/二大戦士、異世界に降臨す
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れをどこで…?」
サイトにそこまで言われ、オスマンは静かに目を閉じた。
「もう35・6年前のことじゃ…森を散策しておったわしは突如、ワイバーンに襲われたのじゃ。そこを救ってくれたのが、破壊の杖の持ち主なのじゃ。彼はこの破壊の杖を用いてワイバーンを吹き飛ばすと、その場に倒れてしまったのじゃ。全身から血を流し、それはもう酷い怪我じゃった。わしは彼を学院に運び込み手厚く看護したのじゃが…」
当時のことを思い返し、思いつめた表情を浮かべながら言葉を切らしたオスマン。
「…まさか、お亡くなりに」
サイトがそう言うと、オスマンは頷いた。
「恩人として彼は丁重に葬った。遺品である破壊の杖は、宝物庫に保管したのじゃ」
「…」
「彼は死ぬ前に、服についておったこのマークを握りうわごとのようにこう言っておった」
オスマンは破壊の杖…MACバズーカのケースに刻まれたマーク…かつてサイトの地球を守ってくれたことのある防衛組織『MAC』のエンブレムに触れる。
「『地球に帰りたかった。円盤生物に殺された仲間の仇を討てなくて残念だ』と。わしにはよく意味が理解できなかったが、彼に何か思うところがあったのじゃろうな」
「…やっぱりそうだ」
サイトがここで声を漏らすと、オスマンは彼の一言を聞き逃せなかった。自分を救った人物のことだから気になっていた。
「やっぱりとは?」
「35年前ってのも合っている。彼も俺の地球にいた人だ。それも…MACの隊員の人だった。授業で聞いたぐらいなんですが…かつて『ウルトラマンレオ』という名前のウルトラマンと共に地球を守ってきた組織だったんです。でも…侵略者の送り込んだ円盤生物に基地を破壊されて、全滅したそうです。地球防衛軍に起こった最悪の悲劇として、歴史の授業で習ったのを覚えてます」
「…そうか、それで仇を討てなかったとか言っておったのか…」
何十年もたった今でもオスマンは覚えていた、死ぬ直前の彼の、すさまじく悔しそうな表情を浮かべながら息を引き取った時の顔を。涙でぐしゃぐしゃになって、手を伸ばす姿は無念さに満ちていた。
『………』
ゼロは、黙ってサイトを通してオスマンとサイトの話を聞いていた。サイトは気づかなかったが、『ウルトラマンレオ』と彼と共に戦っていたMACの末路を聞いたときの彼は、サイトの精神の中で驚いたように顔を上げていたのである。
「でも、その人は何のはずみでこの世界に来たんだ?俺と違って、誰かに召喚されたわけでもないのに…」
基地を破壊されたはずみで、この世界にやってきたというのだろうか?
「わからぬ。どんな手で、その地球という世界から来たのか…」
「くそ…もしかしたら、帰る手がかりが見つかると思ってたのに…」
地球にいる母は無事だろうか?それに自分がGUYSと協力して救助した一般人は
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