盗賊-フーケ-part3/二大戦士、異世界に降臨す
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しまったことから爵位の授与は与えられん」
「え〜?」
キュルケが不満そうにため息を漏らした。だが、無理もない。今朝自分たちに降りかかった火の粉を振り払わねばならないと言った以上、フーケの侵入を許し取り逃がしたという失敗結果を王宮に報告することはできない。だから、本来与えるはずだったシュヴァリエの称号はなしとなった。
「おお、そんなに残念がらなくてもよい。わしがなんとかそれらに代わる報酬を約束しよう」
渋っていたキュルケを見かね、なんとかしようとオスマンは約束した。
「あの、だとしたらサイトにも、何も…」
ルイズが恐る恐るオスマンに尋ねる。悔しいことだが、サイトはフーケのゴーレムだけではない。突如出現した怪獣相手にも怯むことなく破壊の杖を用いて自分たちを助けてくれた。もしサイトがいなかったら、自分たちがどうなっていたことか、想像したくない。オスマンは申し訳な下げに言った。
「済まぬ。彼は平民じゃから、どのみち報酬を用意できんのじゃ」
「いや、俺は必要ないですよ。ただ、その代わり話をしたいんです」
話をしたいと告げるサイトに、オスマンは机の上に置かれた破壊の杖のケースを一瞬見つめ頷くと、同時に何か思い出したように声を上げる。
「…うむ、わかった。…おおそうじゃ。今夜はフリッグの舞踏会。存分に楽しみたまえ」
「そうでしたわ。すっかり忘れておりました!」
思い出したようにはしゃぐキュルケ。舞踏会とは、昔の映画で見たような…ダンス会のようなものだろうかとサイトは思う。生徒達は意気揚々と準備をするため学院長室を後にする。そんな中、ルイズはその場に残っているサイトに振り向く。
「先行っててくれよ」
「う、うん」
そう促され、ルイズもタバサとキュルケと共に今度こそ学院長室を後にした。
「さて、サイト君…じゃったな。ワシに訊きたいことがあるんじゃろ?褒美のせめてもの代わりじゃ。なんでも聞いておくれ」
「ありがとうございます」
お礼を言うとサイトは、机の上に置かれている破壊の杖が、自分の知る限りではどういったものなのかを語り始めた。
「この破壊の杖は、俺の世界…地球の兵器です」
「チキュウ…?」
コルベールは首を傾げる。
「俺の故郷…地球は約50年前から、怪獣や侵略者の脅威にさらされてきました。そのたびに地球防衛軍が、そしてウルトラマンたちが現れ、俺たちを守ってきてくれたんです。そこにある破壊の杖のような、多くの兵器を用いて」
「ウルトラマンを知っている辺りからただの平民の少年ではないと思っていたが…やはり君はこの破壊の杖を知っておるのか」
オスマンは破壊の杖のケースを、懐かしむように撫でながら言った。
「はい。この破壊の杖…正確にはMACバズーカと言います。MACと呼ばれる防衛組織が使用していました。でも、こ
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