盗賊-フーケ-part3/二大戦士、異世界に降臨す
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見て、闇を吹き飛ばしそうなくらいの輝かしい笑みを見せていたことは間違いじゃなかった。
「マチルダ姉さん!」
その頃…。
とある宇宙の、名もなき惑星。そこには顔が獅子を意識させたような作りになっている、赤い巨人がいた。
「ゼロ、一体どこへ消えたのだ?」
その巨人の名は…ウルトラマンレオ。この日サイトがオスマンに教えた地球防衛軍MACと共に怪獣・侵略者と戦ってきた、宇宙警備隊最高幹部『ウルトラ兄弟No.7』の戦士だ。彼は他のウルトラ兄弟たちとは違い、M78星雲光の国の出身ではなく獅子座L77星の王子である。彼の言動によると、ゼロとは知り合いのように見える。
「兄さん」
レオの元に、もう一人彼そっくりの赤い巨人が現れる。彼は『アストラ』。レオの双子の弟であり、ウルトラ兄弟の8番目に選ばれた戦士だ。地球に長くとどまらず、宇宙各地を飛び回りながら侵略者と戦ってきた少し異例な経歴を持つウルトラマンである。
「何か手がかりを掴めたか?」
「ゼロなんだけど、どうも地球に向かったそうだ。セブン兄さんの時と同様に地球を狙ってきたクール星人からの情報だよ」
このアストラというウルトラマン、どうやら以前サイトたちの地球を襲い、GUYSと交戦したクール星人の生き残りを捕まえ尋問したようだ。
「地球に?」
レオが意外そうに言うと、アストラは頷く。
「ええ。あいつは、他者に自分を認めてもらいたがっていたからね。僕たちウルトラ兄弟の戦ってきた星で強くなれば…と考えているんじゃないだろうか」
「なるほどな。それなら合点も行く。アストラ、お前は捕まえたクール星人を光の国に送検し監視しておけ。俺はゼロを探しに地球に行く」
「兄さんが自ら?」
「何が起こるかわからん。二人同時に行けば逆に全滅の危険がある。だが一人だけ向かえば最悪の事態までは免れる」
まるで自分が死ぬ前提のような言い方に、アストラは抗議する。
「その言い方は止めてくれ、兄さん。僕は信じているよ。兄さんは決して死なないってね」
それを言われると、レオはくく…と苦笑した。
「これでも、一度命を散らした身なのだがな。まあいい。行ってくるぞ、アストラ」
「はい、気を付けて。レオ兄さん」
弟にしばしの別れを告げ、レオは地球に向かって飛び立っていった。アストラはそんな兄を見送りながら、彼の無事を祈るのだった。
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