盗賊-フーケ-part3/二大戦士、異世界に降臨す
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ールの壮麗な扉が開かれ、ルイズが姿を見せた。
その姿に、サイトは息を呑んでしまう。髪をバレッタにまとめ、白いパーティドレスに身を包み、ひじまで覆い隠す白い手袋が、いつもの彼女とはまるで別人かと疑わせるほどの美しさを放っていた。
確かにルックスはサイトの好みに近い美少女だったルイズ。でもその実性格はかなりの癇癪持ちで我儘。…と思っていた自分がいた。
『へえ…ただ喚くだけのガキとは思えないな』
ゼロがさらりと、ルイズが聞いてたらまさに言葉通りになることを言う。ルイズにゼロの声が聞こえないのが幸いだ。
そんなルイズに男子生徒たちが我先にとダンスを申し込んでいる。今までゼロだの無能だのと蔑んでいた癖に、現金なことにルイズの魅力の虜になったらしい。しかしルイズは彼らからの申し入れに目をくれず、まっすぐサイトの元へと歩いてきた。
「楽しんでるみたいね。サイト」
「い、いや別に」
「へえ、馬子にも衣装って奴だな娘っ子」
「そこのボロ剣、うるさいわよ」
デルフが余計なひと言を言うと、ルイズは怒るがすぐにサイトに視線を戻す。
「お前、踊らないのか?」
いっぱい誘われていたのにどうして俺のところに来たんだ?疑問に思っていると、ルイズはサイトの方に手を差し出してきた。
「踊ってあげてもよくてよ」
目を反らして照れくさげに言ってきた彼女に、サイトは戸惑った。言われている自分までなんだか照れてしまう。でも、頼み方がなっていない。そう思ったサイトはこう言った。
「踊ってください、じゃねえの?」
しばらく沈黙がその場に流れたが、ルイズから溜息が漏れる。
「き、今日だけだからね…!」
ルイズは両手でドレスの裾を恭しく持ち上げ、足を曲げお辞儀をしながらサイトにダンスを申し込んだ。
「私と一曲踊ってくれませんこと?ジェントルマン」
頬を染め、淑女らしくダンスを再び申し込んだルイズはとてつもなく可愛らしい。サイトはそれだけで胸を高鳴らせて骨抜きにされてしまった。デルフをバルコニーの柵に掛け、手を取り合った二人はホールへと歩いていく。
「俺、ダンスなんてできないぞ」
映画でちょこっと見たくらいだ。後は学校の体育祭で嫌々ながらやらされたくらいしかダンスの経験がない。
「分かってるわよ。いいから私に合わせて」
ルイズに言われたとおりに動くサイト。
「そう、ゆっくり。上手じゃない」
続けているうちに、サイトの動きは中々様に映るようになった。そんな中、ルイズは彼に尋ねた。
「結局、シュヴァリエの爵位がもらえなかったなんて、ただ働きもいいところだわ」
「いいじゃんか。死ななかっただけマシだろ」
「……ねえ、あの破壊の杖のこと…知ってたのよね」
「ん?あ、ああ…」
「じゃあ、異世界から来たのも本当…なのよね」
「信じてな
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