盗賊-フーケ-part2/盗人の守護者
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キュルケも、ルイズのとった行動に驚愕していた。
「助ける」
タバサも無表情のままだが、これを見過ごすことはできない。直ちにシルフィードに命令し、一度地上へ向かわせた。
一方でフーケはこの不測の事態に困惑していた。
(破壊の杖の使い方を知りたかっただけなのに、こんな事態になるなんてね…くそ、どうする?)
このまま逃げるのが得策か?それともロングビルを演じたまま彼女たちを救出するべきか?選択を迫られていた。
「止めろルイズ!前にディノゾールが現れたときも言っただろ!お前が敵いっこない!」
説得を試みるサイトだが、ルイズはそれでも逃げようとしない。逃げることを許さなかったのだ。
「あんたたちだけ逃げればいいじゃない!!ここで逃げたらまた『ゼロのルイズ』って言
われるじゃない!!それに私は貴族よ!魔法が使える者を貴族と呼ぶんじゃない!!敵に
後ろを見せない者を貴族と呼ぶのよ!!」
彼女の、絶対に逃げてはならないと言う貴族のプライドが。それは確かに恐怖を押し殺されてくれたのかもしれない。だが、はっきりとサイトはこの時思った。
地球防衛軍は自分たちよりはるかに強い敵と戦ってきた勇敢な戦士たちだ。それは同時に、知恵と知識を振り絞って、敵との差を埋めたからこそ地球を守ることができた。たとえ作戦が失敗することがあっても、それを覚悟して強大な敵を戦い、勝利を勝ち取って守るべき地球の人々を守ることができた。でもルイズはどうだ。プライドの誇示のためにただ馬鹿正直に真正面に立っているだけ。
これは勇気なんかじゃない。ただの無謀だ!
再び魔法を使って攻撃するルイズ。しかし、やはりツインテールには敵わない。ツインテールにとってルイズなど、生誕記念のバースデーケーキも同然。すでに眼前にまで迫り大きな口を開けてルイズに食らいつこうとする。
「ひ!」
腰が抜けて動けなくなってしまった。絶望の表情が彼女の顔に表れる。
「フリーズスモーク!」
その時タバサの魔法が炸裂した。ツインテールの周囲を霧が立ち込め、ツインテールの視界を奪い去る。
動揺するツインテール。その間サイトはルイズを抱え、ツインテールの前から直ちに離れる。
「ダーリン、大丈夫!?」
上空から降りてきたシルフィードから降りてきたキュルケがサイトたちに怪我をしてないか尋ねる。間一髪、けがもなく何とか抜け出せた。
だが、サイトによって救助されたルイズは、突然サイトに怒鳴った。
「じ、邪魔しないで!!あれくらい私にだって…」
「ルイズ、あなた何言ってるの!?」
信じられないとばかりにキュルケが声を上げる。サイトが身の危険を覚悟で助け上げたと言うのに。だからタバサだって力を貸したというのにこの言い分はないではないか。
「あいつは私が倒すの!トリステインの公爵家三女
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