盗賊-フーケ-part2/盗人の守護者
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に眠る、この星を覆い尽くそうとする悪夢の欠片が今の衝撃で目覚めようとしていたことを。
外を見張っていたルイズだったが、フーケの作り出したゴーレムの出現で悲鳴を上げた。
「きゃああ!!」
外の異変は、サイトたちにも直ちに伝わった。証拠に廃屋全体が大きく揺れ出した。
「なっ、なんだ!?何が起こってるんだ!?」
その時天井が、まるで何かが飛び込んで突き破るように破壊された。その穴から、フーケの作り出した巨大なゴーレムがこちらを見下ろしていた。
「ゴーレム!?」
すぐさまタバサは呪文を唱え、巨大な氷の槍を作り出した。
「ウィンディ・アイシクル…ジャベリン!」
彼女の意思の元、氷の槍はゴーレムに一直線に向かい、その体に突き刺さる。フーケも後に続いて、ファイヤーボールよりもさらに火力の高い魔法の火炎弾をゴーレムに向けて発射する。
「フレイムボール!!」
激しい情熱の炎。たいていの奴なら身を焦がすだろう、だが、ゴーレムはびくともしない。
「こ、こんなの無理よ!」
「…退却するしかない」
他に打つ手がないのならその手しかない。ここは一度退くのが得策だった。キュルケとタバサは一時退避した。
「くっそ…仕方ないか」
流石に剣一つで倒せるとは思い難い。自分もルイズを回収したらここを退避するべきだろう。サイトはルイズを目で追って行く。彼女はゴーレムのすぐ目の前に立っていた。
「ルイズ、逃げるぞ!」
彼女に駆け寄ったサイトが逃げるように言ったが、ルイズはこれを拒否した。
「嫌よ!」
逃げるわけにはいかなかった。貴族としての矜持を、誇りを…フーケのような貴族たらんとする意思を忘れたことの愚かさを、盗賊に教えてやらなければならないのだ。
(ほら使い魔君、あんたが破壊の杖を使って、私のゴーレムをやっつけて見せるんだよ!)
これがフーケの真の狙い。サイトの左手のルーン、それは伝説と謳われた使い魔『ガンダールヴ』のルーン。それを刻まれし使い魔はあらゆる武器を扱うことが可能となる。ならばあの破壊の杖も例外ではないはず。そう確信したフーケは、わざとあの廃屋に盗み取っていた破壊の杖を残し、それをサイトたちに回収させたのだ。
今、サイトはタバサに破壊の杖の箱を見せてもらった時、そのまま自分が破壊の杖の箱を所持したままになっている。草陰に隠れたフーケは、早くサイトに破壊の杖を使えと催促する。いや、使ってくるにはまだ時間をかけて危機感を植えつけさせなければ。フーケは杖を振い、わざと外すようにゴーレムの腕を操作する。彼女の意思に従い、ゴーレムは右拳を振り上げ、サイトとルイズを攻撃してくる。
まずい。サイトはとっさにルイズの手を引っ張る。
「な、何するの!!」
放してよ!とルイズが喚くがサイトは聞いていない。今はあのゴ
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